債券の税金はどうなる?利息・償還益・為替差益をわかりやすく整理

債券投資というと「株式よりも値動きが安定している」「利息が定期的にもらえる」といった安心感から、資産運用の「守り」の選択肢として採用する方が多いのではないでしょうか?

しかし、ここで見落とされがちなのが「税金」の存在です。債券には「利息」「償還差益」「売却益」「為替差益」と、複数の利益があり、それぞれ課税方法が異なります。表面上は利回りが高く見えても、税引後の金額を見て驚いてしまうかもしれません。

本記事では、「税引後リターン」という視点から、債券投資に関わる税金についてわかりやすくまとめました。債券投資の利益や税金の仕組みを整理して理解すれば、投資判断の精度も高まります。この記事でポイントを押さえ、これからの債券投資に、ぜひ役立ててください。

著者プロフィール

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中村 健

SPJ編集長 資産運用の専門家

シンガポールに長年住んでおり、海外のプライベートバンクを活用した富裕層が行う資産運用、資産防衛に精通している。

世界各国の複数のプライベートバンカーと定期的にミーティングをして最先端の情報や資産運用ノウハウを入手することで、十分な資産所得(リタイアメントインカム)を確保して、悠々自適に暮らしている。

様々な国を旅してきており、訪れた国は45ヵ国を越える。

目次

債券で発生する利益の種類

債券の利益には、いくつか種類があることを冒頭で述べました。ここでは、利息、償還差益についてそれぞれ説明し、売却益との違いも詳しく解説していきます。

利息収入とは何か

債券投資では、発行時に決められた利率に基づき、年1回または年2回など定期的に「利息」が支払われます。これが「利息収入」です。

この利息には、原則として20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税を含む)が課税されます。多くの場合は源泉徴収されるため、納税手続きを行う必要はありません。

例えば、額面100万円・年利3%の債券を保有していた場合、利息は3万円ですが、そこから20.315%の税金が差し引かれると、約2.4万円の手取りとなり、実質利回りは約2.4%となります。「利回り◯%」という数字は、あくまで税引前であることを忘れないようにしましょう。

ずいぶん引かれてしまうように感じますね。

そう感じますよね。だからこそ、税金の仕組みを理解することが大切なんです。

償還差益とは何か

債券は満期になると、原則として額面金額で償還されます。もし額面100円の債券を98円で購入し、満期に100円で償還された場合、その差額2円が「償還差益」です。

この償還差益も課税対象です。税率は利息と同じで、原則20.315%の申告分離課税です。特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば、自動的に計算され、税引き後の金額が口座に振り込まれます。

高金利の局面では、すでに発行された債券の価格が下落し、多くの場合は額面より低い価格で購入できます。この債券を満期まで保有して償還差益を獲得するのも、債券投資で利益を得る手段のひとつです。

売却益との違い

満期前に債券を市場で売却した場合、購入価格より高く売れれば「売却益」が発生します。

償還差益は満期時に償還された額面と取得時との差額ですが、売却益は満期までの期間に途中売却した際に発生する取得時との差額のことです。この利益は、税制上はいずれも「上場株式等の譲渡所得」として扱われ、原則20.315%の申告分離課税となります。

償還差益と売却益、どちらを狙う場合にも、購入や売却のタイミングを見極めるのが重要ですね。

国内債券の税金の仕組み

それではいよいよ、債券にかかる税金の仕組みについて解説します。ここでは、まず国内債券について説明しましょう。

利息への課税

国内債券の利息は、原則として支払時に申告分離課税として源泉徴収されます。受け取る時点で税金が差し引かれているため、基本的には確定申告は不要です。

ただし、一般口座や源泉徴収されない特定口座を利用している場合は、確定申告が必要です。しかし、基本的には特定口座(源泉徴収あり)での取引がほとんどなので、特に何もしなくても納税が完了するので安心してください。

源泉徴収の仕組み

特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば、売却益や償還差益についても自動的に税金が計算された後の金額を受け取ることになります。

債券以外の投資商品を保有していて損益が出た場合、利益と相殺することが可能です。相殺後の利益が課税対象となるため、源泉徴収されても確定申告をすれば還付金として戻ってきます。損益が出たときには、ぜひこの制度を活用しましょう。

確定申告が必要なケース

これまで解説してきた内容をまとめると、確定申告が必要なケースは下記のとおりとなります。

・一般口座や特定口座(源泉徴収なし)で取引している
・損益通算や損失繰越を行いたい

とくに損益繰越は翌年以降3年間もの間、控除が有効となります。確定申告は面倒だと感じることがあるかもしれませんが、ぜひ申告して還付金を受け取るようにしましょう。

損益と利益を相殺出来たり、繰越できるのは助かりますね!

投資には損益が出るリスクが必ず付随します。少しでも利益を手元に残すために、損益通算や損失繰越について、しっかり学んでおきましょう。

外貨建て債券の税金

外貨建て債券は、利息に加えて為替変動の影響も受けるため、税金の仕組みがやや複雑です。とくに「為替差益」は、株式や投資信託とは税区分が異なる点に注意しましょう。

為替差益の扱い

外貨建て債券では、為替レートの変動によって利益=為替差益が発生します。この為替差益は、原則として「雑所得」の枠組みとなり、総合課税方式で徴収されます。

総合課税とは、給与所得など他の所得と合算して税率が決まる仕組みです。そのため、所得が高いほど税率が上がる可能性があります。株式や投資信託の売却益とは税区分が異なる点が大きな特徴です。

なお、外貨建て債券でも利息部分は国内債券と同じ利子所得となるので、基本的に申告分離課税として源泉徴収されます。

円換算の考え方

外貨建て債券の税金を考える際には、「円換算」が基本になります。日本の税制では、外貨で得た利益も円ベースで計算するためです。基本的には、購入時、利息受取時、償還・売却時の取引において、そのときの為替レートで円換算されます。

外貨建て資産では、外貨ベースで利益が出ていなくても、円ベースで利益になることがあります。もちろん、その逆のケースもあるので、税金を考える際には外貨ベースだけではなく、「円ベースの損益」で判断するという点が重要です。

為替差損との関係

為替差益が発生する一方で、為替差損が出る場合もあります。例えば、購入時より円高になった場合などです。

為替差損が発生した場合、その損失は「雑所得」の枠組みの中であれば損益通算できる可能性があります。ただし、株式や投資信託の売却益とは損益通算できません。損益通算できるのは同じ税制枠内だけであり、損失繰越もできないことに注意しましょう。

この点は、外貨建て債券の税制で特に誤解しやすいポイントです。資産運用を行う際には、得られた利益の税区分の違いも理解しておくことが重要になります。

為替レートを把握しておかないと損益がでることがあるんですね。初心者には難しそうです。

初心者には外貨建ての投資が難しく感じるのは当然のことです。不安なときは、投資の専門家に相談するのが安心ですよ!

NISA口座と債券投資

「非課税」が最大の特徴であるNISA(新NISA)は、あらゆる層の投資家に人気があります。しかし、すべての債券を取り扱えるわけではないので注意が必要です。NISA口座と債券投資の基本を押さえ、非課税枠を上手に利用しましょう。

NISAで買える商品

NISAでは、すべての債券商品が購入できるわけではありません。原則として、個別の債券(国債や社債など)はNISAの対象外です。一方で、債券に投資する「投資信託やETF(上場投資信託)」はNISA口座で購入することが可能です。

具体的には、国内債券や外国債券を主な投資対象とする投資信託や、債券指数に連動するETFなどが該当します。これらの商品は、実質的には債券に投資しているものの、制度上は「投資信託」や「ETF」として扱われるため、NISAの対象になります。

非課税の範囲

NISA口座の最大の特徴は、運用益が非課税になることです。通常の課税口座では、投資信託やETFの利益には20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座で保有している商品については、この税金が課されません。

具体的には、分配金や売却益(値上がり益)が非課税になります。また、債券では償還時に償還差益(または損益)が出ますが、NISA口座では多数の債券を組み入れた「投資信託」であるため、償還差益は発生しません(*)。

*投資信託内部では償還差益が発生していますが、通常は投資信託内部でまとめて損益として基準価額に反映されています。

注意点

NISA口座は大きな税制メリットがありますが、損益通算ができないという点には注意が必要です。NISA口座内で発生した損失は税務上なかったものとして扱われるため、他の利益と通算することや繰越控除はできない仕組みになっています。

非課税のメリットを享受する代わりに、投資の救済措置である損益通算はできないことを覚えておきましょう。

税金を踏まえた債券選びのポイント

債券投資を検討する際、多くの人がまず注目するのは利回りです。しかし実際の運用では、税金の影響を考慮しなければ本当の収益は見えてきません。ここでは、税金を踏まえた債券選びのポイントを押さえていきます。

実質利回りの考え方

債券を比較する際には、表面利回りだけでなく「実質利回り」を意識することが重要です。表面利回りとは税引前の利回りであり、実際には利息や売却益に税金がかかります。

また、外貨建て債券の場合は為替差益が総合課税の雑所得として扱われるので、所得水準によって税率が大きく変わる可能性があります。債券を選ぶ際には「利回りが高いかどうか」だけでなく、「税引後にどの程度のリターンが残るのか」という視点で判断しましょう。

保有期間の影響

債券投資では、満期まで保有するか、途中で売却するかによって収益の性質が変わります。それぞれの保有期間の違いによる収益内容の違いは下記のとおりです。

保有期間の違いによる収益内容の違い

満期保有利息償還差益を中心に収益を得る
途中売却価格変動による売却益・売却損を得る

債券は満期まで保有すれば、基本的には収益を得る設計になっていますが、途中売却では損益になる可能性もあることを覚えておきましょう。

ポートフォリオ全体での判断

債券を選ぶ際には、単体の利回りだけで判断するのではなく、ポートフォリオ全体のバランスを意識することが重要です。特に利益に対する税区分の違いで、損益通算の可否が分かれるので、最終的な税負担が変わります。

投資商品を選ぶ際には、税制面も含めて考えることで、より合理的な資産配分の実現ができます。長期的な資産形成を目指す場合は、ポートフォリオ全体の中での役割を意識して選ぶようにしましょう。

債券=元本保証 ではありません。金利変動と債券価格の関係なども知っておくことが重要です。

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債券投資は「安定」というイメージがありますが、税制面では決して単純ではありません。利息、償還差益、為替差益など、それぞれの仕組みを理解してはじめて、本当の意味での「実質リターン」が見えてきます。

とはいえ、税制面を考慮した実質リターンを投資商品ごとに検討するのも、かなりの時間を要してしまいます。そんな時は、ぜひSPJにご相談ください。豊富な情報と経験をもとに、あなたのスタイルに最適な投資商品やポートフォリオをご提案します。

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