皆さんは車や家を売って利益が出たら、税金を払いますよね?しかし、富裕層の方はそんな税金は習いません。
税金を払わないってそれ、脱税じゃないですか?
車や家を売ったら売却税が発生するでしょう?
どのようにしたら、払わなくて済むんですか?
もちろん法的に大丈夫な方法ですよ。
どのようにしたら、無税になるのか解説していきますね。
富裕層は、日本に住みながらも無税で家や車を買ったり売ったりしています。
プライベートバンカー中村が今回お伝えするテーマは「資産は海外法人所有で無税」です。
今回はその秘密を探り、驚きの手法「CAHスキーム」を解説していきます。これを知れば、あなたも資産運用の新しい可能性を見いだせるかもしれませんよ!
- 富裕層がどのように節税しているかがわかる
- 資産(車や家)を買っても節税する方法がわかる
富裕層がおこなうCAHスキームとは?
CAHスキームはCorporate Asset Holding Schemeの略語で、資産を買うときに個人で買わずに資産保有会社が買って節税する方法のことをいいます。
会社が資産を買っても、それを売却したら税金はかかりますよね?
資産を売らずに会社の株を売ることで節税になるんですよ。
詳しく解説しますね。
資産を法人で所有する
富裕層はまず、資産を個人で買いません。資産を買って、それを運用して利益を上げるのは一般的な手法ですが、これには巨額の税金がかかりますよね。
たとえば車や絵画を1億円で購入して2億円売れた場合、1億円の利益が生まれます。これを個人で持っていた場合、およそ5千万円の税金が発生します。
ここでポイントなのは、資産を法人で購入することです。車や時計、不動産、どんなものでも一緒です。
たとえば法人で1億円の資産を購入し、その利益が出た法人の株式を1億円で誰かに売却すれば、株式譲渡に関わる税金は20%、つまり約2000万円程度になります。
つまり3,000万円も得しちゃうんですね!
なるほど!資産を売るのではなく、株を売却するんですね!
資産保有会社をつくって、法人で車や家などの資産を購入することで個人で購入するよりも節税できるんです。
会社を海外につくる
資産保有会社を日本ではなく、海外につくってしまう方法もあります。これがIndirect beneficiary schemeです。
シンガポールやドバイのようなキャピタルゲイン税がゼロの国で会社を設立し、資産を運用することがポイントです。
キャピタルゲイン税について詳しく教えてください。
キャピタルゲイン税というのは株式などの譲渡にかかる税金のことです。
そのキャピタルゲイン税がかからない国ってたくさんあるんですか?
たとえばシンガポール、ドバイの他にも香港、スイスやニュージーランドもキャピタルゲイン税がかかりません。
例として、シンガポールを取り上げて手順を解説しますね。
まず、シンガポールに「A社」を設立し、株主としてあなたを登録します。A社は、シンガポール法人なので、日本の法人税は課されません。
A社が資産を持ち、新たに「B社」を設立します。B社は、A社の100%子会社です。そのためA社はB社の株式を100%保有します。
さらに、B社が「C社」を設立します。C社は、B社の100%子会社です。そのため、B社はC社の株式を100%保有します。
このように、A社、B社、C社の3社が、親子関係にある構造を作りましょう。
C社が日本の不動産を購入します。C社はシンガポール法人であるため、日本の法人税は課されません。
不動産を売却する際、C社の株式を売却します。C社は、日本の法人から派生したシンガポール法人の子会社です。
C社の売却で生まれる利益は最終的にB社に収められ、シンガポール法人による株式譲渡の際の税金が0%となるため、税金の無税化が実現します。
この方法を駆使することで、日本に住みながらもシンガポールで売却した不動産にかかる税金を極力抑えることができます。
CAHスキームの具体例
もう少しわかりやすく説明するために、プライベートバンカーである私中村が担当したお客様の例を挙げて説明しましょう。
資産管理会社を設立する
まず顧客のAさんには資産管理会社を設立してもらいます。資産管理会社とは、個人が保有する資産を管理・運用するために設立する法人のことです。
個人で資産を管理する場合と比べて、税制面で以下のようなメリットがあります。
- 所得の分散
- 相続税の節税
- 経費の計上
不動産や株式などの所得を資産管理会社に移管することで、個人の所得税や住民税を節税できます。
また相続税の節税も可能です。例えば、資産管理会社に役員報酬を支払うことで、個人の相続財産を減らせるでしょう。
資産管理会社は法人であるため、個人事業主よりも広い範囲の経費を計上できますね。例えば、事業に関連する交通費や交際費などを経費として計上し、節税します。
高級車や美術品を購入する
Aさんが高級車や美術品を購入したとします。高級車や美術品は、耐用年数に応じて減価償却費を計上できます。
減価償却費とは、資産の価値が経過とともに減っていくことを考慮して、その減価分を経費として計上する費用のことですね。
高級車の耐用年数は、新車で購入した場合は6年、中古車で購入した場合は購入時の年数から経過した年数を引いた年数になります。
美術品の耐用年数は、取得価額や種類によって異なりますが、100万円未満であれば原則として3年、200万円未満であれば5年、1000万円未満であれば7年になります。
減価償却費を計上することで、その年の課税所得を減らせるんです。
Aさんは実際に節税できたのですか?
はい、Aさんは新車を購入し所得税を軽減しました。
Aさんは新車を720万円で購入しました。耐用年数6年で減価償却すると、1年あたり120万円の減価償却費を計上できました。これにより年間の課税所得が120万円減少し、税金の負担が軽減されたんです。
子会社への資産譲渡
日本で会社経営をしている、Bさんの例をご紹介しましょう。
Bさんは日本で会社経営をし、不動産の購入を考えていました。そこで私はシンガポールに興味があったBさんにシンガポールで子会社をつくることを提案したんです。
日本の会社をA,シンガポールの子会社をBとしましょう。
A社は日本に本社をおく法人です。A社はB社という子会社をシンガポールに設立しています。A社は購入した1億円の価値がある不動産をB社に譲渡します。
この場合、A社の資産は1億円減少し、B社の資産は1億円増加しますね。A社は1億円の譲渡益に対して、法人税を納税する必要がありますが、B社は1億円の譲渡益を受け取ったとしても、シンガポールではキャピタルゲイン税が課税されないため、税負担を軽減することができます。
海外法人を設立するメリット
富裕層は所得税率の低い国やキャピタルゲイン税がかからない国に海外法人をもっています。ここでは海外に法人を持つメリットをお伝えしましょう。
税制メリット
法人税率が低い国に法人をつくると、税負担を軽減できます。たとえば、日本では法人税率が23.2%であるのに対し、シンガポールでは17%、香港では16.5%となっています。
また、シンガポールや香港、ニュージーランドではキャピタルゲイン税がかからないので、無税で資産を譲渡できます。
ビジネスメリット
海外法人を持つことで、海外市場への進出や、海外の企業との取引を拡大する可能性があります。また、海外法人を通じて、現地の企業や人材を活用できるでしょう。
たとえば日本企業が海外に進出する場合、海外法人を設立することで、現地の法令やビジネス習慣に沿った事業運営ができます。
リスク分散メリット
海外法人を持つことで、ビジネスリスクを分散できます。例えば、海外法人を複数の国や地域に設立することで、特定の国や地域の経済状況や政治情勢の変化によるリスクを軽減できます。
また、海外法人を子会社や関連会社として保有することで、グループ全体のリスクを分散できるでしょう。
海外法人を設立する際の注意点
海外法人を設立することで、法人税率が低い国や地域に法人を置くことができ、税負担を軽減できますが、いくつかの注意点があります。
キャピタルゲイン税無税の例外
シンガポールは原則としてキャピタルゲイン税が無税ですが、例外もあります。
以下の場合には、キャピタルゲイン税が課される可能性があります。
- 投機目的で不動産や株式などの資産を売却する場合
- 不動産を1年未満で売却する場合
シンガポールでは、資産を取得した日から1年以内に売却した場合、その売却益は短期売却益として、キャピタルゲイン税の対象となります。短期売却益に対する税率は、個人の場合22%(2024年1月1日現在)、法人の場合17%です。
それでは、海外法人をつくるメリットがないですよね?
そんなことはありません。売却目的で資産を購入すれば課税されますが、日本法人で取得した資産を海外法人に譲渡する場合は無税の恩恵を受けられます。
所得税は所得(利益)に対して課税されるので、不動産を所有しているだけでは課税されないんですよ。
税制変更の可能性
シンガポール政府だけでなく、今キャピタルゲイン税が無税の国でも、キャピタルゲイン税の対象となる資産や金額を将来的に変更する可能性があります。
今までに変更された例はあるんですか?
はい、2021年と2022年に以下のようなキャピタルゲイン税の特例を設けました。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
これらの例のように、シンガポール政府は、キャピタルゲイン税の対象となる資産や金額を、経済状況や社会情勢を踏まえて、随時見直しています。
そのため、シンガポールでキャピタルゲインが発生する可能性がある場合は、最新の税制を確認する必要があります。
まとめ
富裕層が持つ資産を効果的に管理し、節税するCAHスキーム。もう一度おさらいをしておくと節税するには以下の2つの方法が有効とお伝えしました。
- 資産管理会社をつくって、法人で資産を購入する
- 海外に子会社をつくる
しかし、その手法を活用するには慎重な計画と法的な理解が必要です。これからも様々な資産運用手法について掘り下げ、わかりやすくお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。