新NISAが始まって、投資熱が高まっている昨今です。日経平均株価が最高値更新など話題になっていますね。株価が上がって好調だから国内ETFに興味を持った方も多いでしょう。
株が好調みたいだから国内ETFを買って配当金をもらいたいわ。
新NISAで国内ETFも買えるようになったんだよね!
ちょっと待って!新NISAで国内ETFも買えるようになったけど、初心者にはあまりおすすめしないんだ。
みんなよく知っているのね。国内ETFってどんなものなの?
それでは国内ETFについてわかりやすく解説していこう。なぜ初心者におすすめしないかも説明するよ。
2024年から新NISAが始まり、成長投資枠では国内ETFも買えるようになりました。配当金目当てに始めようと思っている人も多いでしょう。
しかし配当金がもらえるETFは、いろんな制約もあるんです。早まって後悔しないように本記事を参考にしてくださいね。
- ETFについて理解が深まる
- 国内ETFと海外ETFの違いがわかる
- 国内ETFに向かない人がわかる
- 国内ETFに向いている人がわかる
ETF投資の基礎知識
個別株のように1株から取引でき、配当金がもらえるETFの人気が高まっています。
ETFってそんなにいいの?
向き不向きがあるんだよ。ETFの仕組みや特徴、投資信託との違いについても解説するね。
ETFとは何か?
ETFとはExchange Traded Fundの略で日本語では上場投資信託といいます。つまり東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託ですね。
つみたて投資している人に人気のeMAXIS Slimは上場していない投資信託なんだ。
個別株とは異なり、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの株価指数に連動する運用を目指すため、指数全体のパフォーマンスに投資できます。
詰め合わせパックみたいなイメージでいいのかな。
そうだね。1つのETFでたくさんの企業に分散投資できるんだ。
ETFは証券取引所で売買されるため、株式と同じように簡単に取引できる利便性もあります。
ETFの特徴
ETFの特徴をまとめると以下の通りです。
- リアルタイムで取引できる
- 1株から買える
- 分散投資しやすい
- 低コストで運用できる
ETFは株式と同じように証券取引所で売買できるため、リアルタイムで市場価格を見ながら注文できます。
ETFがリアルタイムで注文できるという特性を活かし、成功を収めた投資家はたくさんいるよ。
たとえばプライベートバンカーである私の顧客Aさんは、ETFの価格変動を分析し、日中に頻繁に売買することで利益を得ているそうだよ。
Aさんはニュースや市場データなどのリアルタイム情報に迅速にアクセスし、価格変動の波に乗ることで短期的な利益を積み重ねているんだ。
低コストで運用できるから、頻繁に売買してもコストを心配せずにできるんだね。ETFは株式と同じように1株から購入できるため手軽に投資しているといっていたよ。
また指数に連動するように運用されているため、個別の株式を購入するよりも分散投資しやすいんよ。
投資信託との違いは?
投資信託とETFは、どちらも投資家から資金を集めて運用する商品ですが、いくつかの重要な違いがあります。投資信託は、証券取引所には上場していない商品です。
そのため、購入は証券会社や銀行などの金融機関を通す必要があります。一方、ETFは証券取引所に上場している商品のため、株式と同じように証券取引所で売買できます。
投資信託は自動で積立投資ができるから手軽なイメージがあるわ。
投資信託の買い付けは注文後に価格変動の可能性があります。注文後に基準価額や為替レートが決定されるため、注文時には最終的な購入価格が分からないためです。
基準価額や為替レートは、市場状況によって変動するため注文後に価格が下がることもあれば、上がることもあるよ。
投資信託は長い目でみたら値上がりしていくんでしょ?
そうだね。基本的に投資信託は短期売買しないから、値動きに一喜一憂しなくていいんだよ。
一方ETFは株式と同じように取引所で売買できるため、リアルタイムで市場価格を見ながら注文できます。東証の場合、ETFの取引時間は以下の通りです。
取引時間外は注文できませんが、夜間取引と呼ばれる時間帯に一部のETFが取引可能です。夜間取引は、取引所によって異なりますが一般的には以下の通りです。
自分が納得いく価格で注文が通るのはいいわね。
でもどの価格で買ったらいいのかわからないわ。
それなんだよ!ETFが初心者に難しい理由の一つが自分で価格を見極める必要があるところだね。
プライベートバンカーとして資産形成の相談にのっているけど、投資を始めたばかりの人には国内ETFよりも毎月一定額を積み立てて投資する投資信託をすすめているよ。
国内ETFと海外ETFの比較
ETFには国内ETFと海外ETFがありますが、どのような違いがあるのかみていきましょう。
国内ETFと海外ETFの特徴
国内ETFの特徴は以下の通りです。
- 日本の証券取引所に上場している
- 日本の法律に基づいている
- 日本の株式市場の指数に連動するETFが中心
- 円建てで取引できる
- 単元株で取引
海外ETFってどうなの?
海外ETFの特徴は以下の通りだよ。
- 日本の証券取引所ではなく、海外の証券取引所に上場している(一部日本上場のものあり)
- 海外の法律に基づいている
- 米国株式市場の指数に連動するETFが中心
- 現地通貨建てで取引する(一部円建てあり)
- 1株単位で取引
国内で販売されているETFの大半は、インデックス連動型と呼ばれるタイプなんだ。これは特定の指数(日経平均株価、東証株価指数など)の動きに連動するように運用されるETFのことだよ。
そのため、より多くのリターンを追求したい場合は海外ETFのほうが適しているね。アクティブ型といって運用次第では大きな利益が期待できるからだよ。しかしリスクも高いことは覚えておこう。
国内ETFのメリットとデメリット
投資信託と並んで国内ETFの人気が高まっていますが、投資商品を選ぶ際にはメリットとデメリットを理解することが重要です。
- 手軽に分散投資できる: 個別株式を購入するよりも、低コストで分散投資できます
- 値動きがわかりやすい: 指数に連動するため、個別株式よりも値動きがわかりやすく、リスクを比較的低く抑えられる
- 分配金を受け取れる: 多くのETFは、定期的に分配金を支払っています
- 取引コストが安い: 個別株式に比べて、取引コストが安い傾向があります
- 為替リスクがない: 米国株式市場などの海外市場に投資する海外ETFとは異なり、為替リスクがありません。
- 個別株式よりもリターンが低い: 個別株式よりもリターンが低くなる可能性があります
- 信託報酬がかかる: 運用会社に支払う信託報酬がかかります
- 投資対象が限定される: 指数に連動するため、投資対象が限定されます
国内ETFは手軽に分散投資でき、値動きがわかりやすい、分配金を受け取れるなど、多くのメリットがあります。一方で個別株式よりもリターンが低い、信託報酬がかかるなどのデメリットもあります。
海外株ETFのメリットとデメリット
米国株が人気だから海外ETFのほうがいいのかな。
海外株ETFには国内ETFにはない注意すべき点があるよ。
- 高いリターンが期待できる: 米国株式市場などの海外市場は、日本の株式市場よりも成長率が高いため、高いリターンが期待できます
- 為替ヘッジされた商品もある: 為替変動の影響を受けにくいように、為替ヘッジされた商品もあります
- 投資対象の選択肢が多い: 米国株式市場だけでなく、欧州株式市場や新興国株式市場などにも投資できます
- 為替リスクがある: 海外市場に投資するため、為替リスクがあります
- 信託報酬が高い: 国内ETFに比べて、信託報酬が高くなります
海外株ETFは、高いリターンを目指す投資家にとって魅力的な投資商品ですが、為替リスクや信託報酬が高いなどのデメリットもあるため、投資判断する前に、自身の投資目的やリスク許容度などを考慮し、自分に合ったETFを選ぶようにしましょう。
国内ETFをおすすめしない人とは
国内ETFに向かない人はどんな人かな。
国内ETFの特徴は、単元株をリアルタイムで取引することだから、以下のような人は国内ETFに向かないよ。
投資に時間をかけたくない人
積立投資は証券会社に設定しておけば、毎月自動的に投資できますが、国内ETFは自動で投資できるわけではありません。個別銘柄を選ぶ必要はないですが、売買はその都度しなくてはなりません。
投資信託と違って一定額を積み立てるのではないから手間がかかりそうね。
リアルタイムで取引きできるのはメリットだけど、ずっとパソコンを見ているわけにもいかないしな。
投資に時間をさけない人は積立投資が向いているね。
一定額を積立投資したい人
毎月決まった金額を積立投資したい人には投資信託がいいでしょう。ETFは単元株取引なので株を何株買うかで価格が決まります。たとえば月に3万円を投資に回したいと思ってもできません。
ぼくは面倒なのはいやだから、自動で積み立てられる投資信託がいいな。
いろんな資産運用をアドバイスしている私からみても、初心者には積立投資が一番適していると思うよ。
投資信託は100円や1000円など、少額から始められるからね。そのため投資にあまりお金をかけられない初心者でも、気軽に始められるんだよ。そのうえファンドマネージャーと呼ばれるプロが運用してくれるからね。
自分で銘柄を選んだり、売買したりする必要がないから、初心者でも安心して投資できるんだ。初心者はまず投資になれることが大切なんだよ。
配当金を再投資したい人
国内ETFの魅力は、分配金が受け取れることです。
私はまだ若いし分配金はいらないわ。それより分配金も積立投資にまわすほうがいいわ。
分配金を受けとらなくても、ETFは分配金が出るので税金がかかるんだ。
分配金を受け取らずに再投資するのであれば、最初から分配金がでない投資信託のほうが効率的です。
国内ETF投資が向いている人
国内ETFは指数に連動する点で投資信託と同じです。手間がかかる割には個別銘柄のように高いリターンを望めるわけではありません。それでも国内ETFをおすすめするのはどのような人か解説します。
分配金を受け取りたい人
多くの国内ETFは年1回~2回の決算時に、運用で得た利益の一部を分配金として投資家に支払っています。企業が株主に対して毎年安定的に支払うため、安定的な収入源として人気があります。
特に老後の生活資金や年金代わりとして、高配当株をポートフォリオに組み込む投資家が増えています。
私は配当金っておこづかいをもらえるみたいで嬉しいな。
今はまだ配当金はいらないけど、老後に収入がなくなったら配当金はありがたいかもしれないな。
私の顧客も高配当株投資で悠々自適な生活を送っている人が多いよ。
顧客のAさんは定年退職後、高配当株投資で老後の生活資金を築いています。今では年間約200万円の配当金を受け取っているらしい。年金と合わせて余裕のある生活ができるといっていたよ。
高配当株投資を始めたきっかけは、やはり年金だけでは足りないと思ったからだそうだ。そこで生活資金を安定的に確保するために、配当金を受け取れる国内ETFに目を向けたそうだよ。
安定して分配金を受け取りたい人
国内ETFは海外ETFに比べて分配金が安定している傾向があります。日本企業は高配当政策を採用している企業が多いためです。安定した収入を求めている人にとっては、国内ETFの方がより魅力的に感じるでしょう。
具体例としては、以下のような企業が挙げられます。
- 通信: NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクグループ
- 電力: 東京電力ホールディングス、中部電力、関西電力
- 銀行: 三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャル・グループ、りそなホールディングス
- 自動車: トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車
- 食品: キリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サントリーホールディングス
これらの企業はいずれも安定した業績と高配当政策で知られており、長期的な資産形成を目指す投資家から人気を集めています。
為替リスクを取りたくない人
為替リスクを完全に回避したい場合は、国内ETFの方が適しているでしょう。海外ETFは為替変動の影響を受けるため、円建てで見た場合の値動きが大きくなります。
一方、国内ETFは円で取引され、為替変動の影響を受けません。
たとえば米国株ETFを100株購入した場合を考えてみよう。
1年後に為替レートが1ドル120円になった場合(円高)
1年後に為替レートが1ドル140円になった場合(円安)
うわぁ!10万円も変わってくるのね!
そうなんだ。このように海外株に投資する際は為替リスクがあることに注意が必要だよ。
まとめ
国内ETFは、近年人気が高まっている投資商品です。分配金を受け取れるものが多く、老後の資産形成にも役立ちます。しかし投資信託のように自動で積立投資してくれるわけではありません。
個別株に比べて商品を選びやすいとはいえ、1株単位で売買しなければなりません。
ETFは指数に連動しているため、個別株よりは値動きを読みやすいといえますが、慣れていない初心者にはリアルタイムで取引きするのは難しいでしょう。
ETFを始める前に、十分に情報収集して、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、最適なETFを選びましょう。