富裕層は将来の資産形成のために、金融教育に積極的です。子供や孫にしっかり教育しておかないと、将来資産が減少してしまいます。
いくらお金があっても湯水のように使っていれば、いずれなくなってしまいますからね。そのため富裕層は子供たちにファイナンシャルリテラシーを身につけさせようと教育しています。
ファイナンシャルリテラシーって何?富裕層の金融教育ってどんなことをしているの?
日本人はファイナンシャルリテラシーが低いといわれるけど、それってやばいの?
ファイナンシャルリテラシーが低いと、損することが多いんだよ。今回はプライベートバンカーとして富裕層に接する機会が多い私が、富裕層の金融教育やファイナンシャルリテラシーについて、詳しく解説するね。
- ファイナンシャルリテラシーについて理解が深まる
- 富裕層が子や孫に伝える金融教育がわかる。
- ファイナンシャルリテラシーの重要性がわかる
- ファイナンシャルリテラシーの身につけ方がわかる
ファイナンシャルリテラシーの重要性
ファイナンシャルリテラシーは高い方がいいものですが、残念なことに日本人は、ファイナンシャルリテラシーが低いといわれているのです。参考:第一生命経済研究所
ファイナンシャルリテラシーとは
リテラシーとは読み解く能力のことです。ですから金融リテラシーとは金融に関する知識や情報を正しく理解し、主体的に判断できる能力を指します。
もっと具体的に教えてほしいな。
私たちの生活にどう関係してるの?
君たちも生活する中で、状況に応じて考えていることだよ。
たとえば家計簿をつけて収入と支出を把握したり、将来の目標に合わせて必要な資金を計画しているんじゃない?保険に入るときや銀行にお金を預けるときだって、どこがいいか考えるはずだ。
お金に関して得た知識や、判断する能力のことをファイナンシャルリテラシーというんだよ。
ファイナンシャルリテラシーの必要性
なぜファイナンシャルリテラシーが必要なの?
私たちは生活していく上で、お金と関わりを持たずに生活できないよね。ファイナンシャルリテラシーがないと、不利になることが多いんだよ。
高い保険に加入させられたり、リスクの高い金融商品を売りつけられたりしないためにも、ファイナンシャルリテラシーを高める必要があるんだ。
ファイナンシャルリテラシーを高めるメリット
ファイナンシャルリテラシーを高めたら、他にもいいことがあるの?
ファイナンシャルリテラシーを高めるメリットには、次のようなことがあげられるね。
- 投資詐欺などを避けられるようになる
- 資産形成につながる
- 経済的に自立できる
金融詐欺や悪徳商法の手口を知っていれば被害を防げるし、お金に関する知識を活用することで、より賢くお金を使い、生活を豊かにできるよね。
それに無駄遣いを減らして貯蓄や投資にお金をまわせば、将来の目標を実現しやすくなるよ。近年、金融商品やサービスが複雑化し、金融詐欺も巧妙化しているんだ。
ますますファイナンシャルリテラシーの重要性が高まっているといえるね。
富裕層の金融教育
富裕層はファイナンシャルリテラシーが高いからこそ、富裕層になったともいえます。プライベートバンカーとして多くの富裕層に接していると思うんだけど、彼らはその知識を子孫に伝えるべく教育しているんだよ。
お金に対する意識
富裕層はお金をかせぐ手段だけでなく、人生を豊かにするツールであると考えています。そのため、早い段階から子どもたちに、お金を大切にすることや貯蓄の重要性、投資の仕組みなどを教えます。
富裕層ってお金がいっぱいあるから、何も考えずに好きなようにお金を使うのかと思っていたけど、実際は違うのね。
お金を使うばかりでは、いずれなくなってしまうからね。子供たちに、しっかり金融教育しているんだよ。
私の知り合いのAさんもお金に関する教育には力を入れていたよ。息子さんが5歳の頃からお小遣いを渡し始めたそうだよ。
宿題を終わらせたら100円、本を1冊読んだら50円など、具体的な目標を設定して渡したんだって。
息子さんは努力を重ねることで、お小遣いを増やす喜びを知り、たまったお金はすぐ使うのではなく、本当にほしいものを買うために貯金する大切さも理解するようになったらしいんだ。
お金に関する知識や判断力は、早い段階から身につけることが大切ですね。遊びや体験を通して学ぶことで、子どもたちは自然とお金に関心を持ちます。
お金の教育は子どもたちの将来を守るために重要といえるでしょう。
実践的な経験
富裕層は子どもたちに、お金に関する実践的な経験を積ませます。たとえば次のようなことです。
- 小遣いを管理させる
- 家族経営の事業を手伝わせる
- インターンシップに参加させる
お小遣い帳をつけさせ、収入と支出を記録することで、お金の流れを把握できます。不要な出費を見直すきっかけにもなりますね。
事業を手伝わせることで、商品がどのように売れて、お店がどのように利益を得ているのか理解させます。子供が興味を持っている分野や職業のインターンシップに参加させることもありますね。
このようにさまざまな方法で、子どもたちが実際に経済活動に関わる機会を提供しています。
富裕層の金融教育を取り入れる際のポイント
子どもにファイナンシャルリテラシーを理解させるためには、子どもの年齢や理解度に合わせた教育内容にすることが大切です。
遊びを通して学ばせたり、子どもが興味をもてるように楽しみながら学べるようにしましょう。無理強いすると逆効果ですよ。日常的な会話の中で、コミュニケーションをとりながら教えていきましょう。
最低限身に付けたいファイナンシャルリテラシー
経済的に困らないよう豊かな人生を送るためには、最低限でも以下のファイナンシャルリテラシーを身につけることが重要です。
家計管理
豊かな生活を送るためには、まず自分のお金の流れを把握することが重要です。収入と支出を把握することで無駄遣いを減らし、貯蓄を増やせます。
なんでこんなにお金が減っているんだろうって思うんだ。
コンビニでお菓子や飲み物を買っているんだけど、知らない間に結構使っているのかも。
何にどれだけ使っているか把握することが資産形成の第一歩だよ。
家計管理アプリを活用すれば、簡単に家計簿をつけられます。家計簿をつけて収入と支出を把握しましょう。収入に合わせて無理のない予算を立て、計画的に支出し貯蓄することが大切です。
生活設計
将来の目標やライフプランを考えることは、経済的な不安を解消し、より充実した人生を送るために非常に重要です。次のような具体的な目標を設定するとよいでしょう。
- 結婚
- 出産
- マイホーム購入
- 教育
- 老後
このような目標を設定したら、それぞれの目標に必要な資金を算出しましょう。またライフプランは定期的に見直し、必要に応じて修正するといいですね。
自分の価値観やライフスタイルに合ったライフプランを立て、次にリスクに備えるための資金を考えます。
生活費の3カ月~6カ月分程度の緊急資金を用意し、緊急資金はすぐに使える普通預金口座に準備しておくとよいでしょう。
社会保険制度と税金
ファイナンシャルリテラシーを高めるためには、社会保険制度と税金について理解することが非常に重要です。
社会保険や税金って会社で計算してくれるし、給料から勝手に引かれてるから、それでいいんじゃない?
会社も間違えることがあるし、知らないと損することがあるよ。
えっ~⁈そうなの⁈
社会保険制度と税金は私たちの生活に密接に関わっているからね。たとえば社会保険制度は病気やけが、出産、老後などさまざまなリスクから私たちを守ってくれるんだ。
だけど申請しないと支給されないこともあるんだよ。社会保険制度や税金の仕組みを理解することで、自分に必要な給付金をもらえたり、節税対策を考えたりできるんだ。
ファイナンシャルリテラシーを身に付ける方法
近年、金融に関するトラブルが増えています。これはファイナンシャルリテラシーが十分に備わっていないために起こるケースが多いです。
お金に関する知識や判断力をつけることは、自分の身を守ることにもつながるので、しっかり身につけましょう。
YouTube、本、セミナーなどで学ぶ
ファイナンシャルリテラシーを身につけるには、手軽な方法としてYouTube、本、セミナーなどがあります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分に合った方法をみつけましょう。
- 無料で視聴できるものが多い
- わかりやすい動画が多い
- 好きな時間に視聴できる
- 情報の質に差がある
- 偏った情報の場合もある
- 時間を取られる
ぼくはYouTube派だね。通勤時間にスマホで手軽に勉強できるからね。
私は本がいいわ。目が疲れないし、内容が濃い気がするわ。
私はYouTubeでみて、興味がある分野は本で、より深く勉強しているわ。セミナーは高いしね。
セミナーは参加費がかかるけど、専門家の意見を直接聞けるのは良い機会になるよ。質問もできるしね。
ファイナンシャルリテラシーは一生役立つ知識です。自分に合った方法で、ぜひ学んでみてくださいね。
資格試験の勉強をする
受験するかどうかは別にして、ファイナンシャルプランナー3級のテキストを読んでみるのもおすすめです。
ファイナンシャルプランナーとは家計やライフプランに関する幅広い知識と専門性を生かし、個人のライフプランに合わせた資金計画や資産運用などのアドバイスを行う専門家です。
ファイナンシャルプランナー3級は最も入門的なレベルですが、必要な知識が網羅されています。
税や社会保険の基礎知識も盛り込まれていますので、ファイナンシャルリテラシーを身につけるために勉強するのにも最適です。
テキストは2,000円程度しますが、問題をひととおり解いてみると自分の弱点がわかるでしょう。
実際に知識を使ってみる
ファイナンシャルリテラシーを身につけるためには、知識を実際に使ってみることが重要です。
本やセミナーで学んだ知識を机上の空論にしてしまうのではなく、実際に自分の生活に生かしてこそ、真に身に付いたといえるでしょう。
実際に使ってみるって、どんなことをしたらいいの?
いきなり投資するのは怖いしなぁ。
簡単なことから始めてみよう。たとえば次のようなことだよ。
- 家計簿をつける
自分の収入と支出を把握し、無駄遣いを減らせます。 - 予算を立てて生活する
収入を計画的に使えます。 - 貯蓄を始める
将来への備えができます。 - 保険に入る
病気やけがなどのリスクに備えられます。 - 老後の生活設計をする
必要な資金を把握できます。
保険について学んだら、加入している保険証書を全部並べて中身を確認してみるといいでしょう。
どんな時に、どんな給付を受けられるのか、いつまで契約が続くのかなど契約が複数あると、自分でも把握できていないかもしれません。上記の他にもふるさと納税をしてみるのもいいでしょう。
ふるさと納税は税制上お得と言われていますが、自分にとって本当に有利なのかを調べて検討すると経験値が増えます。税について詳しくなるともっと減税できるかもしれません。
驚いたことに知り合いのBさんは、ふるさと納税してはじめて、自分の住民税の額を知ったそうだよ。
Bさんはこれまで、住民税なんて気にしたことがなかったらしいよ。給与明細書を見ても、口座に入る金額しか気にしていなかったそうなんだ。
それでふるさと納税をするために住民税の控除額を確認しようとして初めて、その額に驚いたらしい。住民税ってこんなに引かれているんだって。
住民税は私たちが住んでいる自治体に支払う税金です。地域によって税率は異なりますが、一般的には年収の10%程度です。
ふるさと納税は自分が応援したい自治体に寄付することで、住民税と所得税を減額できる制度です。寄付額のうち、2,000円を除いた金額が住民税と所得税から控除されます。
Bさんのように、住民税の控除額を確認することで初めて自分の住民税の額を知った人もいるかもしれません。実際に経験することでファイナンシャルリテラシーが高まる良い例ですね。
まとめ
日本人は相対的にファイナンシャルリテラシーが不足気味です。また金融知識に自信がない人が多いです。この背景には学校教育における金融教育の不足や、金融商品に関する情報へのアクセス不足などが挙げられます。
また多くの日本人は、お金に関する話題に消極的です。これは日本の文化ともいえるでしょう。お金のことは専門家に任せるべきという思考傾向があり、自ら積極的に金融知識を学ぶ機会が少ないことも課題です。
しかし一方で富裕層は金融リテラシーが高い傾向です。積極的に投資や資産運用しているからこそ富裕層になったといえるでしょう。近年、格差が拡大している日本社会において、金融知識不足は大きなリスクです。
老後の生活資金が不足したり、消費者金融などの高金利の借金に陥ったりするリスクを避けるためにも積極的に金融に関する知識を学び、ファイナンシャルリテラシーを高めることが重要です。
ファイナンシャルリテラシーを高めることで、より豊かな人生を送れるでしょう。