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金融リテラシーの国際比較!日本の水準は海外よりも低いのか?

金融リテラシーという言葉が注目されていますが、国際比較したときに日本の金融リテラシーは高いと思いますか?

2022年に金融広報中央委員会が金融リテラシー調査を公表し、国際比較したときに日本の金融リテラシーが低いという結果になっています。(参考:金融リテラシー調査|金融広報中央委員会

この記事では、金融リテラシー調査からわかる日本の水準と、金融リテラシーを国際比較したときに高い国とその特徴を解説します。

日本や海外の金融リテラシーの水準とあなた自身の金融リテラシーを比較してみましょう!

著者プロフィール

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中村 健

SPJ編集長 資産運用の専門家

シンガポールに長年住んでおり、海外のプライベートバンクを活用した富裕層が行う資産運用、資産防衛に精通している。

世界各国の複数のプライベートバンカーと定期的にミーティングをして最先端の情報や資産運用ノウハウを入手することで、十分な資産所得(リタイアメントインカム)を確保して、悠々自適に暮らしている。

様々な国を旅してきおり、訪れた国は45ヵ国を越える。

目次

「金融リテラシー調査」から分かる日本の水準

2022年に金融広報中央委員会が行った金融リテラシー調査では、OECD(経済協力開発機構)諸国と比べて日本の金融リテラシーは低いという結果になっています。

金融知識に関する設問の正答率をOECD(経済協力開発機構)諸国と比較すると、日本は30か国中22位と下位になってしまっています。

しかし、近年の日本では「つみたてNISA」や「ふるさと納税」という言葉や「投資をすること」が当たり前になりつつあり、金融リテラシーが高まってきていると言えます。

日本の正答率が低かった分野

先ほど紹介した日本の正答率が30か国中22位だった金融知識に関する設問の中で、特に正答率が低かったのは「インフレ」「複利」「分散投資」の3つでした。

どれも投資をする上で重要な用語なので、ここではそれぞれわかりやすく解説します。

インフレ

「Inflation(インフレーション)」の略語で、物価(モノやサービスの価格)が継続的に上がっている状態を言います。

例えば、インフレで物価が上がるとお金の価値が下がるので、持っている金額自体が減ることはないですが、実質的にお金(価値)が減っていくことになります。別の言い方をすると、インフレによりモノの価格が上がり、同じ金額で同じモノを買うことができなくなるという感じです。

近年では、月に何回も値上げに関するニュースを聞くことも当たり前になってきました。インフレを身近に感じる人も多いのではないでしょうか?

複利

利息に対して利息がつくことを複利と言います。利息に対して利息がつかない場合は単利と言います。

投資には複利効果という言葉があります。複利効果とは、運用益を再投資することで利益が増幅していく効果のことで、期間が長ければ長いほど効果が期待できます。

例えば、元金300万円、利回り3%で10年運用した場合、単利だと90万円の利息ですが、複利だと103万円の利息になります。運用期間が20年だと単利で180万円、複利で241万円の利息となり、利息に対して利息がつく分、差が大きくなります。

分散投資

投資にはさまざまなリスクがありますが、投資先、地域、時間などを分散することでリスクを抑えることができます。これを分散投資と言います。

投資の主なリスク

価格変動リスク…投資した商品の価格が上下するリスクです。(例:株式投資における株価)

金利変動リスク…日々変動する金利のリスクです。金利が上昇すると債券価格は低下します。

為替変動リスク…外貨建て商品の場合、円とドルやユーロの為替の変動によって価値が上下するリスクです。

信用リスク…株式や債券の発行体が倒産などによって債務不履行になるリスクです。

流動性リスク…換金しやすさや市場に出回る頻度によるリスクです。流動性が低いほどリスクが高くなります。

カントリーリスク…投資対象国や地域の情勢によって債務不履行になったり規制ができたりするリスクです。

これらのリスクを分散することで、リスクを最小限にしながら安定したリターンを得ることができます。

金融リテラシーが高い国の特徴

ここでは金融リテラシーが高い国の特徴を紹介します。

世界のトップを走る「アメリカ」、金融大国「イギリス」、幸福度世界一の「フィンランド」の金融リテラシー教育について学び、あなたが受けてきた教育と比べてみましょう。

アメリカ

サブプライムローン問題からリーマンショックが起きたことにより、金融教育の拡大を進めています。

リーマンショックの原因ともなったサブプライムローン問題は、金融機関が信用力の低い個人に過剰に貸し付けを行ったため資金を回収できなくなりました。

金融リテラシーが高ければ避けられた問題とも言えます。

幼児期から高校卒業までに身につけるべきお金の知識は教育基準としてまとめられており、多くの教育現場で採用されています。

イギリス

イギリスは金融教育の発祥国と言われており、小学校高学年から高校生までお金について学べるカリキュラムが設けられています。

1999年には、国民の貯蓄率の向上を目的としてISAが導入されました。(NISAは日本版ISAです。)2021年には、イギリスの成人人口の約半数がISAを保有しています。

また、イギリス政府は2011年にマネー・アドバイス・サービスを設立しています。国民に対して金融に関する情報提供、教育支援、アドバイスをおこなっています。

フィンランド

フィンランドは前回2019年のOECD金融リテラシー調査で第1位になっています。

フィンランドの金融教育は、社会的および経済的に主体性を発揮し、個人的な財政管理ができる能力を有することをゴールとした教育をおこなっており、20年以上の歴史があります。

不安なら専門家に聞いてみよう

金融リテラシー調査からわかる日本の水準と、金融リテラシーを国際比較したときに高い国とその特徴を解説しました。

ここまで学んだ金融リテラシーの国際比較についてまとめていきます。

この記事で伝えたいこと

・2022年に金融広報中央委員会が金融リテラシー調査において、金融知識に関する設問の正答率をOECD(経済協力開発機構)諸国と比較すると、日本は30か国中22位と低いです。

・特に正答率が低かったのは「インフレ」「複利」「分散投資」の3つで、どれも投資に重要な用語となっています。

・金融リテラシーが高いアメリカ、イギリス、フィンランドはそれぞれ政府主導で金融教育を進めており、年々改訂していっています。

今回出てきた3つの用語以外にも投資に重要な知識はたくさんあります。しかし、一から一人で勉強して身につけようと思うととても大変なので、不安なことがあればぜひ一度SPJへご相談ください。

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