キャピタルゲインとインカムゲインの違いとは?初心者向けにわかりやすく解説

資産運用を本格的に始めたいものの、「キャピタルゲインとインカムゲインは何が違うのか」「自分にはどちらが向いているのか」と悩まれている方は少なくありません。

本記事では、この2つの利益の基本的な概念から、リスク・リターンの特徴、さらには代表的な金融商品までを整理してわかりやすく解説します。双方の違いを正しく理解することで、ご自身の目標やライフプランに合わせた最適な資産運用戦略を選べるようになります。

将来に向けた効率的な資産形成を始める第一歩として、ぜひ本記事の内容をお役立てください。

著者プロフィール

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中村 健

SPJ編集長 資産運用の専門家

シンガポールに長年住んでおり、海外のプライベートバンクを活用した富裕層が行う資産運用、資産防衛に精通している。

世界各国の複数のプライベートバンカーと定期的にミーティングをして最先端の情報や資産運用ノウハウを入手することで、十分な資産所得(リタイアメントインカム)を確保して、悠々自適に暮らしている。

様々な国を旅してきており、訪れた国は45ヵ国を越える。

目次

キャピタルゲインとインカムゲインとは?まず知っておきたい基礎知識

資産運用における利益は、大きく「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つに大別されます。まずはそれぞれの定義と、収益が発生する基本的な仕組みについて確認していきましょう。

キャピタルゲインとは売却して得られる利益

キャピタルゲインとは、保有している株式や不動産などの資産を、購入時よりも高い価格で売却した際に得られる値上がり益を指します。例えば、100万円で購入した株式が値上がりし、150万円で売却できた場合、差額の50万円(諸費用除く)がキャピタルゲインです。

この利益は市場の価格変動を利用して生み出されるため、企業の成長や好景気などの波に乗ることで大きなリターンを得られる魅力があります。しかし一方で、資産価値が購入価格を下回った状態で売却すると売却損(キャピタルロス)が発生するリスクも存在するため、売買のタイミングを見極める視点が重要となります。

インカムゲインとは保有中に得られる利益

インカムゲインとは、資産を保有し続けることで継続的・定期的に受け取ることができる収益のことです。代表例として、株式の配当金や債券の利息、不動産の家賃収入などが挙げられます。

資産を売却することなく、保有しているだけで安定した現金収入を得られる点が最大の特徴です。短期的な市場価格の乱高下に左右されにくいため、長期的な資産形成の土台として機能しやすいメリットがあります。ただし、企業の業績悪化による減配や、不動産の空室リスクなどによって、得られる収益が減少する可能性には留意する必要があります。

キャピタルゲインとインカムゲインの違い

2つの利益形態は、利益を得るタイミングだけでなく、リスクやリターンの構造にも明確な違いが存在します。違いを比較しながら、それぞれの性質についてより深く理解を深めていきましょう。

利益を得るタイミングが異なる

キャピタルゲインとインカムゲインの大きな違いは、収益が確定するタイミングにあります。

キャピタルゲインは資産を手放した(売却した)瞬間に初めて利益として確定するため、保有している間は含み益に過ぎません。

一方、インカムゲインは資産を保有している期間中、決算期や毎月といったあらかじめ定められたスケジュールに沿って定期的に得られます。

比較項目キャピタルゲインインカムゲイン
利益獲得のタイミング資産の売却時(一括)資産の保有期間中(定期)
利益確定の条件資産を手放すこと資産を保有し続けること
収益の予測可能性市場動向に大きく左右される比較的高く計画を立てやすい

リスクや利益の特徴が異なる

リスクとリターンのバランスにも両者で異なる特徴があります。キャピタルゲインを狙う投資は、短期間で大きなリターンを得られる可能性がある反面、価格変動リスクが大きく、市場急変時には損失を抱える可能性も高まります。

一方、インカムゲインを重視する投資は、一度に得られる利益は限定的ですが、価格変動の影響を受けにくく、相対的にリスクを抑えた運用が可能です。大幅な資産拡大を目指すか、安定的な収益を重視するかによって選択肢が変わります。

投資目的によって選び方は変わる

資産運用においてどちらの利益を優先すべきかは、運用を行う目的や許容できるリスクの大きさによって異なります。ご自身のライフスタイルに合った考え方を整理していきましょう。

資産を大きく増やしたい人はキャピタルゲインを重視する

現在の資産規模を将来に向けて大きく成長させたい場合は、キャピタルゲインを狙う戦略が適しています。特に長期的視点で運用できる場合は、成長市場や拡大傾向にある企業へ投資し、利益を再投資しながら運用を続けることで、複利効果も期待できます。

一時的な相場の下落リスクは存在しますが、時間をかけて運用を継続することで価格変動を吸収し、数年から数十年単位で大幅な資産拡大を目指すことが可能です。

キャピタルゲインを狙う場合でも、短期的な値動きに振り回されず、長期的な視点で運用を続けることが大切です。長期投資の基本的な考え方や成功のコツについては、「長期投資で資産形成を目指すには?成功のコツと基本戦略」で詳しく解説しています。

安定した収入を得たい人はインカムゲインを重視する

毎月の生活費の足しにしたい方や、リタイア後の安定したキャッシュフローを作りたい方には、インカムゲイン重視の運用が適しています。資産本体を取り崩すことなく、生み出される配当や利息のみを収入として活用できるため、精神的な安心感を得やすいのが魅力です。

また、資産防衛の観点においても、元本の安定性を維持しながら着実に収益を得る手法として広く活用されています。

キャピタルゲインとインカムゲインの代表的な投資商品

各利益の性質に合わせ、適した金融商品を選ぶことが運用成果を左右します。ここでは、キャピタルゲイン狙いとインカムゲイン狙い、それぞれの代表的な投資商品を紹介します。

キャピタルゲインを狙いやすい投資商品

価格変動幅が比較的大きく、将来的な値上がりが期待できる投資商品が中心となります。

  • 成長株(グロース株)
    事業拡大を優先する企業の株式。配当よりも将来の株価上昇による利益が期待できます。
  • 株式インデックスファンド
    世界経済や特定市場全体に連動する投資信託。中長期での成長と値上がり益を狙います。
  • 暗号資産(仮想通貨)
    価格変動が極めて激しく、短期で大きな利益を得られる可能性がある反面、リスクも非常に高くなります。

インカムゲインを得やすい投資商品

保有期間中に定期的な収入を生み出し、比較的、予測可能性の高い商品が該当します。

  • 債券(国債・社債)
    定期的に利息を受け取り、満期時には元本が返還される安定性の高い商品です。
  • 高配当株式
    業績が安定しており、高い配当利回りを維持している企業の株式。継続的な配当収入が狙えます。
  • REIT(不動産投資信託)
    不動産の賃貸収入などを分配金として受け取る商品で、高い利回りが魅力です。

資産運用では両方を活用する考え方

どちらか一方のみに絞るのではなく、両方の利益を組み合わせることが、リスクを抑えつつ効率よく資産を形成するための洗練されたアプローチとなります。

投資目的に応じて選ぶことが大切

ポートフォリオを構築する際は、自身の年齢や資産状況、リスク許容度に応じて組み合わせを決定します。例えば、資産の土台となる部分には安定したインカムゲインを生む債券などを配置し(コア)、余剰資金でキャピタルゲインを狙う株式を購入する(サテライト)といったコア・サテライト戦略が有効です。

ご自身の目的に適した配分比率を守ることで、不測の市場変動にも揺るがない安定した運用が可能となります。

キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを重視するかは、資産全体の配分を考えることも重要です。資産配分の基本や考え方については、「資産配分とは?初心者向けに決め方や考え方をわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。

キャピタルゲインとインカムゲインを組み合わせて資産形成を目指す

両者を組み合わせることで、総合収益(トータルリターン)の最大化が狙えます。得られたインカムゲインを再投資に回し、キャピタルゲインを狙う資産に充てることで、効率的な複利運用が実現します。

分配金や配当金を再投資することで期待できる複利効果については、「再投資型投資信託はおすすめ?複利効果を活かす仕組みと注意点」で詳しく解説しています。

運用タイプ資産配分のイメージ主な目的
積極型株式(値上がり狙い)80% / 債券 20%資産の大幅な拡大
バランス型株式 50% / 債券・高配当株 50%成長と安定収入の両立
安定型債券 70% / 高配当株・REIT 30%元本防衛と定期収入の確保

違いを理解して自分に合った資産運用を始めよう

キャピタルゲインとインカムゲインの基本を押さえたら、次はいよいよ実践です。自分に最適な運用スタイルを見つけ、着実な一歩を踏み出すためのステップを整理します。

短期と長期の投資目的を整理する

まずは、資金をいつ、何のために使う予定があるのかを整理することから始めます。近い将来に使う予定がある資金と、長期的に育てていきたい資金とでは、適した利益の狙い方が異なるためです。

数年以内に使う予定のある資金を値動きの大きい商品に集中させると、必要なタイミングで想定より目減りしている恐れもあるため、資金の性格に合わせた設計が欠かせません。

自分に合った投資スタイルを選ぶ

目的が整理できたら、自身の性格やリスク許容度に合った投資スタイルを選択します。市場の変動で不安を感じやすい方は安定志向のインカム重視、長期的な視点で一時的な下落を受け入れられる方はキャピタル重視が向いています。

完璧な正解を探すのではなく、ご自身にとってストレスなく継続できる運用方法を選び、少額からでも実際にスタートさせることが成功への鍵となります。

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キャピタルゲインとインカムゲインは、それぞれ異なる特徴があり、優劣ではなく目的に応じた使い分けが重要です。とはいえ、自分の年齢やリスク許容度、資産状況を踏まえて最適な配分をどう考えればよいのか、一人で判断するのは決して簡単ではありません。

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