最近、金融市場で注目を集めているのがSTO(Security Token Offering)です。STOは、トークンを使用して資金調達をする手法で、その仕組みはますます多様化しています。
今回は、海外の事例を交えながら、STOがどのようにビジネス化されているのかについて詳しく解説しましょう。
また、東南アジア最大手のDBS銀行が行った12億円相当のデジタル債権発行についても独自の視点で解説します。さっそく始めましょう!
でも、STOって実際のところどうなの?
STOで投資を始めているクライアントさんもいるんですか?

私がプライベートバンカーとしてクライアントにSTOでの投資を勧めることはまだありませんが、法的整備やプラットフォームが確立されるのも時間の問題でしょう。
- STOとは何か?実例を踏まえて解説。
- STOとリートを比較して理解を深めましょう。
- リターンの安定性は投資家の魅力につながる事を理解。
- STOでの資金調達の実例とメリット。
- STOの今後の展望についてを解説。
STOとは何か?


STOっていうのがあって、昔ながらの方法よりもずっと安全で、効率的にお金集めができるわけです。具体的には、セキュリティトークンを発行し、それを通じて資金を調達する仕組みです。
ここで言うセキュリティトークンは、法令に基づいた形で発行され、投資家に対して保護を提供します。デジタルでも正式に有価証券としての価値が保証されると考えれば分かりやすいと思いますね。
STOは暗号資産のようなものですか?



暗号資産では保護しきれないデジタル資産をブロックチェーン技術で保護するのがSTOです。正式にはセキュリティトークンで有価証券を発行する技術なんです。
セキュリティトークンって何?


スマホひとつで安全に資金調達や株式投資ができるんですね。



まだまだプラットフォームや税制の確立が追いついていませんが、今からSTOでの資産運用を視野に入れることは重要です。
まず、セキュリティトークンの基本はブロックチェーン技術にあります。これは分散台帳技術で、仮想通貨などでも使われているものです。デジタルな有価証券を作り出すための基盤となっているんですね。
具体的には、セキュリティトークンはデジタルな有価証券のことですが、これには多くのメリットがあるんです。これは2020年の金融商品取引法の改正によって実現しましたが、これから更に法整備されていきますね。
これにより、投資対象をデジタルに細かく分割し、オンラインで購入できるようになったんですね。
つまり、証券会社を介しての金融商品を買う場合は手数料や管理コストがかかりましたが、セキュリティトークンならそれらのコストが不要なんです。
WEBサービスを利用する感覚で資金調達や投資ができるようになるでしょう!
証券会社はどうなっていくのでしょう?



証券会社に限らず、われわれプライベートバンカーとしても手数料に頼らず新たな価値を提供する必要が増えますね。
さらに、デジタルで流通するわけですからリアルタイムで、少額からの取引が可能になるんです。
プライベートバンカーとして思うことは、今後は証券会社やファンドの運営会社の手数料や管理費がなくなり、金融市場が大きく変わると感じています。
みなさんも今すぐSTOに取り組む必要がなくても、仕組みや制度を理解しておくことは重要ですね。
セキュリティトークン vs リートの違い


ある日、私がクライアントにSTOの話をした時のこと…STOと不動産投資信託リートのどちらがお勧めかを聞かれたんです、どちらも小口の投資が出来るので比較される傾向がありますね。
セキュリティトークンは、クラウドファンディングの新しい形とも言えます。高額な不動産も手軽に小口化され、デジタルでワンクリックの購入が可能なんです。
これにより、プロでなくても気軽に投資ができるようになりました。一方で、リートは不動産を1つの器にまとめ、それを小口化して投資家に販売する仕組み。
ただし、リートは法律の規制が多く、手続きが煩雑でコストもかかります。私のクライアントの多くはシンプルな投資や運用を好む傾向がありますので、リートはいまひとつ提案しにくい部分がありますね。
リートってつい最近画期的な不動産投資として話題になりましたが、それもつかのまですね…。
金融の世界も最終的にはシンプルで無駄を省いた市場になっていくんだと感じますね。しかし、まだまだリートは投資家のポートフォリオに組み込む存在であることにはかわりありません。
リターンの安定性(リートとSTO比較)


セキュリティトークンは価格の急変が起きにくく、不動産の鑑定評価ベースで取引されるため、リターンも比較的安定しています。プライベートバンカーの目線から見ても、STOは安定性が段違いです…
これに対して、リートは市場価格や経済状況に左右されやすく、ボラティリティが高い傾向があります。私のように長期投資を推奨している立場からすれば価格の安定性は重要なんですよ。



ボラティリティとは価格変動のことと理解してください。
セキュリティトークンの魅力とポイント


セキュリティトークンは少額から投資が可能。これにより、若い世代でも気軽に参加できる魅力があります。一方で、リートは数十万単位から始まることが一般的です。



私のクライアントの一人が、投資ではなく資金調達で新規事業を立ち上げた方もいるんですよ。少額ではありましたが、予想以上にスムーズにできたそうですね。



それって、新規事業に投資する資金を調達したってことですよね…行動が早く、さすがプライベートバンカーを持つ富裕層ですね。



富裕層でなくても、小規模事業を始めるならSTOで資金調達することを選択肢に入れてみることもおすすめです。複雑な手続きや手数料なども低コストで済むかもしれません。
手軽さ、フットワークを考えれば投資に至るハードルが高いのがリートと言わざるを得ません。
ここで、投資家の姿勢についての話になりますが、私はこのブログで長期投資による資産運用の重要性について何度もお伝えしています。
しかし将来的にはあらゆる投資が少額から瞬時にリアルタイムに売買可能な世界になると考えています。
結果的に、損切り・利確がいつでも可能な投資環境になることで、長期投資だけでなく投資の形態が大きく変わるようになるでしょう。
実際にSTOを導入している大手銀行もあるんですね。



結果的には多くのの銀行が導入するようになるでしょう!
利回りの比較


どちらもリターンは約3%から4%ですが、セキュリティトークンは鑑定評価ベースでの安定取引が影響して変動が少ない傾向があります。



少ないリターンなら資産形成には向かないんじゃ…?



将来の安全資産の選択肢が増えるというイメージですね
これに対して、リートは相場や経済状況の変動に敏感で、ボラティリティが高まりやすいです。
資金調達の新たなトレンドSTO


東南アジアの大手銀行、DBSも導入したSTO。すでにSTOでの資金調達、投資が徐々に始まっていますね!近年での実例に注目してみましょう。
STOでの資金調達の特長とは?


STOを利用して資金調達できるんですね。



STOを導入して資金調達を望む企業がどのようなプロセスを踏むのかを知ることは投資家にとっても有益なんです。
STOは有価証券のようなもので、セキュリティと透明性が求められる資金調達に適しています。この手法は、ICOで発生した問題を解消し、投資家にとって信頼性の高い選択肢となっています。
安全性と透明性が求められる資金調達に適しているということは、そのままSTOは投資家からの支持が得やすいということなんです。
ブロックチェーン技術はアートや個人の絵画でも価値や透明性を維持しつつ値段が上がりやすいって聞いたことがあります!



そのブロックチェーン技術で有価証券をデジタル化するわけですから注目されている理由なんですよ
私もSTOに出会ってから、私の資金調達の考え方がガラッと変わったんですよ。多くのICOは規制が整っていないため、投資家は取引の透明性や保護を期待できませんでした。
この未規制の市場において、投資家は自己責任で投資を検討する必要があったんです。また、詐欺のリスクもありました。
聞いたことあります…実際に詐欺被害にあったケースもありますね。



全く実現不可能な事業計画に投資してしまうといった被害も少なからず出ました。
ICO市場では、詐欺や不正行為が横行しています。架空のプロジェクトや実現不可能な約束を掲げたICOが存在し、投資家が被害に遭う可能性があります。まだまだ、注意深い調査が欠かせません。
STOの主な事例


STOを利用して資金調達している実例を見ていきましょう。
資金調達に成功している実例があるんですね



どんどん増えていくでしょう!
- t0(ティーゼロー)
- 設立年: 2014年
- 特徴: オーバーストックが設立し、セキュリティトークン取引のためのプラットフォームを提供。2018年には13.4億ドルを調達。
- AST(Asset Security Token)
- 特徴: セキュリティタイズが法令に準拠した形でセキュリティトークンを発行。税務処理や管理ツールの提供など、包括的なサポートを行っている。
- 英智yg
- 特徴: アート市場に焦点を当て、アート資産をトークン化して販売。アート市場の流動性向上を目指している。
- スタートアップの新たなビジネスモデル
- 特徴: 小規模店舗の広告からアウトドア広告まで、さまざまなビジネスがトークン化。投資家は500ドルから参加可能。
瞬時に世界中の投資家から資金調達できる時代になってきているんですね…。



安全性と透明性…そして成長が見込める企業に投資したい投資家だけでなく、個人の資産運用としても需要が増えるでしょう。
プライベートバンカーとして思うことは、魅力的な中小企業に今までよりも素早く安全に投資できるようになるメリットは大きいですね。
STOが広がる理由


STOの広がりには、いくつかの理由があります。デジタルプラットフォームの整備が進むことで、STO市場がより使いやすく、投資家にとって魅力的な環境が整備されています。
資金調達する側と投資する側の理想が同時に高まっていくイメージですね!ただし、まだまだ法的整備が途上段階ですので、思いがけない規制等が設けられると話が変わってきますが…
以下では投資家にとって関わりの深い不動産のSTOでの広がりを解説していきましょう。
不動産のセキュリティトークン化


例えば、不動産の場合、これまでの売買手続きや登記、資金移動などの手続きが煩雑でした。しかし、不動産をセキュリティトークンに変換することで、デジタル上での簡単な取引が可能になります。
これにより、不動産の流動性が向上し、投資家にとっても新しい機会が生まれるのです。



STOの利用だけで家賃収入が得られるようになるでしょう。
管理費や運営コストの透明性も維持したまま家賃収入が入るんですね!どんどん資産を増やせそうですね。
STと暗号資産の違い


セキュリティトークンと暗号資産はどう違うのでしょうか?大まかな違いは、価値の持ち方にあります。暗号資産はその自体が価値を持っていますが、セキュリティトークンは資産の価値を裏付けに持っています。
これにより、法的な位置づけや規制も異なります。
資産の価値の裏付けにブロックチェーン技術が用いられるんですね。



法的な位置づけもそうですが、税金の制度にも影響しますのでSTOを利用するときは注意が必要になります。
セキュリティトークンは金融商品取引法に基づいて規制され、一方で暗号資産は資金決済法に基づく規制が適用されます。これらの法律の違いが、それぞれの取引に影響を与えていく可能性がありますね。
バーチャルマネーと違って、リアルな有価証券と同等ということなんですね。
そうです、そして法的制度も徐々に確立されてきていますね。
まとめ


STOは、従来の資金調達手法とは異なる新しい形態であり、その多様な事例を見ることで、金融市場の変革が進んでいることが分かります。
今後もSTO市場の進化に期待し、新しいビジネスモデルや投資機会に敏感になることが重要です。金融の未来を切り開くSTOに注目しましょう。
STO投資に今すぐ取り組むべきということではないんですね?



今回の記事では、STOでの資金調達が法的にも整備されつつあるという情報ですので、それに対しての投資家の準備次第で資産運用の幅が広がるというお知らせでした。



