子どもには望む教育を受けさせてあげたいものですが、実際子育てにかかるお金が多すぎて不安というご家庭は多いと思います。中でも大きいのが教育費の負担です。そのため教育ローンや奨学金を検討している家庭も少なくないでしょう。
しかし、それぞれどのような特徴があるのか分からないという人のために、教育ローンと奨学金を比較して分かりやすく解説いたします。特徴を理解して、最善の選択ができるようにしましょう。
子育てにかかるお金は約3000万円!?

子供を大学まで通わせるためには、一人あたり約3,000万円の費用がかかるといわれています。
インフレが続く中、今後さらに費用は増える可能性があります。まずは、子育てにかかる費用について知っておきましょう。
子育てのお金には「教育費」と「養育費」がある
子育てにかかるお金はおもに「教育費」と「養育費」があります。「教育費」とは学校の授業料や塾代、習い事など教育にかかる費用のことです。
公立、私立のどちらを選ぶかにもよりますが、教育費の平均額は以下の通りです。
3~5歳(公立幼稚園):55万円
6~12歳(公立小学校):200万円
13~15歳(公立中学校):160万円
16~18歳(公立高校):180万円(私立高校):310万円
19~22歳(公立大学):240万円(私立大学):525万円
一方で「養育費」とは食費、被服費、医療費など教育費以外の子供を養うための衣食住に関わる費用のことです。
内閣府が公表している平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査をもとに子どもの養育費をシュミレーションすると、子どもが大学を卒業するまでにかかる養育費は、平均で1,800万円です。子どもの進学先にもよりますが、この二つの費用をあわせて、現状では子供一人あたり約3,000万円が必要といわれています。
大学まですべて公立の場合:教育費835万+養育費1,800万=2,635万
高校まで公立、大学は私立の場合:教育費1,120万円+養育費1,800万=2,920万
中学まで公立、高校と大学が私立の場合:教育費1,250万円+養育費1,800万=3,050万
教育資金が不足する場合は、教育ローンなどを検討してみると良いでしょう。
そもそも教育ローンとは?

教育ローンは国の教育ローンと銀行の教育ローンがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
①国の教育ローン(教育一般貸付)
国の金融機関である日本政策金融公庫が行っている教育資金の貸付制度です。借り入れできる金額は原則として子ども一人あたり350万円が上限で、一括で受け取ることができます。
申し込みできる世帯収入に制限があり、子ども一人の世帯で年間収入が790万円以下などの上限額が決まっています。返済期間は最大15年です。
②金融機関の教育ローン
銀行など民間の金融機関が用意している教育ローンの商品もあります。収入の上限はないため、審査に通れば融資を受けることができます。
借り入れできる金額は各金融機関によって変わりますが、医学部など高額な学費が必要で、国の教育ローンだけでは足りない場合の支払いにも備えることができます。返済期間は通常10年程度です。
教育ローンと奨学金の違いとは?

学費を借りることを考えたとき、奨学金を思い浮かべる方も多いと思いますが、教育ローンと奨学金にはどのような違いがあるのでしょうか?
幅広い用途に利用できる
授業料などだけでなく、教育関連の幅広い用途に利用可能です。主に以下の使い道として融資を受けることができます。
家賃などの居住費、通学費、教材費、パソコン購入費、修学旅行費、学生年金保険料、クラブ活動など
子どもに返済の負担がかからない
教育ローンは子どもの保護者が契約者となるため、子どもに返済の負担がかかりません。
奨学金を借りた場合、学校卒業後に子どもが返済に苦労するというケースもあります。そのため子どもに金銭面の心配をさせることなく教育を受けさせてあげることができます。
いつでも申し込みできる
奨学金は募集期間が設定されており、決められた期間内に申し込みをする必要がありますが、教育ローンはいつでも申し込み可能です。急遽教育ローンが必要となった場合でも利用することができます。
ただし、時期によって審査などの手続きに時間がかかる場合があるため、余裕をもって申し込みすることをおすすめします。
奨学金より金利が高め
教育ローンは奨学金に比べて金利が高めとなっています。最も多くの方が利用している日本学生支援機構第二種奨学金の金利は以下の通りです。
※2025年(令和7年)4月に貸与が終了した人の金利
利率固定方式:1.612%
利率見直し方式:0.900%
対して、国の教育ローンでは令和7年5月時点で固定金利年3.15%です。
銀行の教育ローンは金融機関の商品によって金利は違いますが、1~4%が多く、変動金利を採用している場合が場合がほとんどです。
いずれにしても、奨学金に比べると教育ローンは金利が高めとなっています。
子育てにかかるお金は資産運用で準備しよう

子育てにかかるお金は家庭にとって大きな負担となります。そのため、資金の準備が厳しいという方は奨学金や教育ローンも上手に利用しましょう。
もっと楽に教育資金を準備したいと思うなら、資産運用で準備する方法もあります。子どもが小さいうちから計画的に運用し、長期で資産形成していけば、無理なく費用を貯めることができますよ。
家計状況によって適した資産運用方法はさまざまです。最適な資産形成の方法を知りたいと思った方はSPJの公式LINEにご登録ください。無料で投資のプロによる資産形成の考え方のヒントを共有いたします。ぜひ受け取ってくださいね。