高配当株って本当に安定してるの?
日本郵船の株、今が買い時なの?
今日は、日本郵船の高配当の謎について解説しましょう。シンガポールのプライベートバンカーの経験から担当顧客や知人の例など含めて高配当の理由と、株の購入の判断基準について解説していきます。
- なぜ日本郵船が高配当なのかがわかる
- 日本郵船の株を実際にもっている人の実績がわかる
- 今後日本郵船の株を持つべきかどうか判断基準がわかる
- 高配当株投資の考え方がわかる
日本郵船の高配当の理由
まずは結論から、高配当の理由は主に3つあります。日本郵船の経営方針、安定した財政基盤、国際物流市場の需要増です。
日本郵船は明治時代からある歴史ある会社ですよね
私のシンガポールのプライベートバンクのお客様も日本郵船の株をもっている株主である方が多くいらっしゃいました。そのため情報を得る機会は大変多かったです。
世界からも注目される日本の大企業の1つですね
日本郵船が高配当である理由は、日本郵船の経営方針として株主を重視する姿勢、株主関連を重視していることが大きなポイントです。これは長期的な企業価値の向上と株主への利益還元に重点を置いているためです。この方針は、投資家からの信頼を得て、株価の安定と成長に寄与しています。そして、強固な財務基盤が挙げられます。業績が安定している企業は、投資家に対して安心感を与えることができ、それが高配当の基盤となっています。
安定した財政基盤あっての高配当なんですね
そうです。国際物流市場の需要増については、プライベートバンカーの視点からもう少し詳しく解説します。
日本郵船の業績と市場状況
日本郵船の事業は主に6つの事業に分けられます。シンガポールのプライベートバンカーの観点からお伝えすると、実は利益の多くはコンテナ輸送からの収益によるものです。シンガポールに住んでいると特に実感するのですが、グローバルな貿易の増加とともに、コンテナ輸送の需要は高まっており、日本郵船はこの市場の拡大をうまく活用しています。
日本郵船の利益構造
シンガポールのプライベートバンカーの視点から海運業界全体の現状をまとめます。
- コンテナ船の運賃:コロナ禍による供給網の混乱で、一時期コンテナ運賃が急騰しました。
- ドライバルク市場:鉄鉱石や石炭などの運搬が好調です。
- タンカー市場:石油や天然ガスの運搬が安定しています。
2022年の4月には上海の船がすべてストップしたニュースがありましたね。
シンガポールには中国系の富裕層の方も多くいらっしゃるので、私も近くで状況をみていたのですが、その時の混乱は大変なものでした。
コンテナが足りなくなって、たくさん運ぶものが増えると日本郵船の業績がよくなるわけですね
グローバル化の中で、世界中でいろんな物の取引が行われると、それだけ海運業には良い影響があるといえます。
市場の変動と配当への影響
逆に日本郵船株をもつ上でのリスクも見ておきましょう。
国際経済の不安定さや業界内の競争激化など、リスク要因も考慮する必要があります。日本郵船の魅力とリスクの両面を理解し、投資判断を下すことが大切です。あとでもお話しますが、2020年3月時点では日本郵船の株価は363.3円でした。そこまで株価が下がってしまう可能性もあるということを考慮にいれておかなければなりません。
また、経営陣の不祥事などで株価が大きく下がることも可能性として考えられます。
たとえば、JALや東芝などは過去に上場廃止となりました。日本の大企業であっても経営のやり方次第で安定企業でも上場廃止となる可能性を考えておかなけばなりません。
私の知人のJALや東芝の株を多く持っていた人たちは損失を多く出してしまいました。ただし分散投資をしていたため他の分野でカバーすることができています。
投資戦略としての高配当株の選択
プライベートバンカーの私から見ても、高配当株投資はよくある選択肢の1つといえます。私のお付き合いする知人の中で多いパターンをご紹介します。キャピタルゲイン(売り買いの差額)を狙った現物取引まではしたくない。ただ、投資信託は買うだけなので面白味に欠けるという方が選ぶのがインカムゲイン(配当)を目的とした高配当株取引です。
インカムゲインが目的なら暴落しても、狼狽売りしなければ安心ですね
業績不振で一時的に配当も下がることもありますが、10年単位の長期的に成長している右肩上がりの企業を探すのが私の経験からのおすすめです。
高配当株のリスクとリターン
高配当株投資は上場廃止や株価が暴落するなどのリスクが考えられます。その対策で必要なのは分散投資です。株の購入先を分散させ、1社が不祥事で株価の暴落や上場廃止となってもリスクが抑えられるように分散させておくのが基本となります。たくさんの会社の株を所有する中で、日本郵船は有力な1つの候補に挙がってくるでしょう。
日本郵船は株主優待で、飛鳥のクルーズへの優待券がもらえますね
私の知人にも豪華客船のクルージングが好きな方が多くいます。ジムやプールやショーに図書館などたくさんの飽きさせないアトラクションが揃っています。短い日付の旅程などもあるので一度体験してみることをおすすめします。
高配当株投資の失敗例
実際に私の知人で失敗した例をご紹介しましょう
その時は約1000万円日本郵船株をもっておられましたが、結果的に約300万円損失を出しました。株式投資は最悪の場合で30%~50%程度まで評価額が下がる場合があることを考慮しておいたほうがいいでしょう。ただし景気の循環要因であれば数年も経てば元の株価まで戻るでしょう。株価があがるまで待てない状況が一番の敵となります。
海運業は景気に左右されることが多いため、配当が少なくなるなどのマイナス材料があれば株価は下落します。
景気に敏感な株と、景気と逆行するような動きをする株などバランスを組み合わせて分散投資することが求められます。
日本郵船の配当金:実際の数字と期待値
では実際の日本郵船の配当金と最近5年の配当金推移を確認してみましょう。
日本郵船 100株配当金 いくら?
実際100株もっていたとしたら配当はいくらなんでしょうか。
2023年は1株130円の予定となっています。年間で13,000円のインカムゲインとなります。
今の株価だと利回りはだいたい3%くらいですね。
税金もあるので、額面上より2割引き程度で見積もっておいたほうがよいでしょう。
実際の配当金額とその推移
2019年は13円だったのに対し、2021年に急激に配当金が高まっています。13円ほどに戻る可能性もあることを考えた上で投資しましょう。
実際に私の知人は2020年ごろに日本郵船の株を買い増しした人もいます。2019年から2020年にかけて配当金としては少なかったですが、配当金が少ない時期は株価も低いので、買うには絶好のタイミングでした。その後配当金が上がった後、10倍近くまで株価が高まりましたので、キャピタルゲインでもかなりの利益を得ることができたそうです。
日本郵船の配当金と生活費
では、実際に配当金だけで生活しようとするとどのくらいの資産が必要でしょうか。
プライベートバンクのお客様には配当金のインカムゲインだけで十分に生活費をまかなえる方もいらっしゃいます。
配当金を定期的な収入源として見ることで、リタイアメント後の生活資金としての役割を担うことも期待できます。安定した配当を提供する企業の株は、長期的な資産計画において重要な要素となります。
企業の業績によって配当の上下もあるので、分散させて全体として利回り水準を保つことが大切ですね。
配当金を生活費に充てる方法
私の担当したお客様の例をお話します。
この方は十分に資産をお持ちで、7500万円も資産の一部です。その中で高配当株投資には7500万円程度投資していました。利回りは4.2%程度で回していましたので、年間で約315万円の配当を受け取っていたという例になります。
7500万円も資産がありません。でも300万円毎年はいってくると働く必要がなくなりますね。
もちろん資産が7500万円なくても高配当株投資を選ぶメリットはあります。私のお客様でも高配当株投資をする額は人によって様々ですよ。
配当金での生活実現可能性分析
高配当株投資であれば投資額100万円の場合、月額数千円程度なのでお小遣い程度でしょう。それでも銀行口座に眠らせておくよりははるかに効率がいいです。
1000万円ていどの場合は月額数万円程度が見込めますので、キャッシュフローがよくなります。生活も楽になってくるでしょう。
1億円以上あれば分散投資する中の1つの選択肢として高配当株投資が考えられるでしょう。株式、不動産、コモディティなど広く分散させることをおすすめします。
日本郵船の株式:投資の判断基準
日本郵船の株式を買いたいとなったときにどういった判断基準で買うタイミングを考えるとよいでしょうか。プレイベートバンカーの視点からお答えします。
日本郵船の株を買うべきか?投資判断のポイント
日本郵船の株を買いたくなったときいつ買うのがいいんでしょうか。
判断するポイントは大きく3つです。
日本郵船の株式投資を検討する際、まず考慮すべきは、同社の業績、市場の動向、そして将来性です。株価はこれらの要素に強く影響されるため、これらを総合的に分析することが重要です。
日本郵船の株価は過去の業績や市場の状況に基づいていますが、投資家としては、将来の成長ポテンシャルにも目を向ける必要があります。特に新しい事業領域への進出や経済のトレンドが、将来の株価に大きく影響する可能性があります
シンガポールのプライベートバンカーの視点からすると、グローバル化の波はますます進んでいるのを肌で感じます。海運業の将来はしばらく安泰だと思われます。
日本郵船の株価10倍の可能性
2020年3月から2022年3月を比べると株価は10倍に膨れ上がっています。
たった2年で10倍以上だなんて夢のある実績ですね。
プライベートバンカーの視点で、当時の状況をお話すると2020年3月はコロナショックの真っ最中で世界全体がコロナにおびえて悲観していたタイミングでした。
みんなが悲観しているときに買うことができるのも度胸がいりますね。
もちろんこの数値は一番低いところと高いところを出しただけです。
投資の世界の格言に「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉があります。最安値と最高値を狙わず、その間で利益を出せればいいんですよ。
安いときにキャピタルゲイン狙いで買い増しするのはとてもいい戦略ですね。
プライベートバンカーとして様々なお客様と付き合った経験から申し上げますと、長期の目線で株式投資とは付き合うことが大切です。配当金が下がると株価も下がります。配当金が低いうちに株を買いましておくことは業績の上下の激しい海運業の株として有効な戦略と考えます。
まとめ
日本郵船配当がなぜ高いのかをお伝えしました。
- 日本郵船の配当が高いのは3つの理由がある
- 株主重視の経営方針で配当を高くする方針
- 安定した財政基盤で配当が高くても問題ない
- 国際物流市場の需要増で利益が高い、特にコンテナが需要が高かった
- 日本郵船の最近5年の配当実績をまとめた
- 高配当株のキャピタルゲインで生活するための資産額目安をご紹介
- 日本郵船の株を買うタイミングについて
以上です。
日本郵船は配当が高く、安定した企業で、高配当株投資に有力候補にはいってくる1社です。ぜひ業績や株価をチェックしておきましょう。
また、他の配当や優待株については「くきの楽しい投資生活」にまとまっているのでご確認いただけますでしょうか。