今年はどのような投資をしていこうか、迷っている人も少なくないでしょう。
どのような商品に投資すれば良いのですか?
私は大きいリスクを取りたくありません。
確かに大きなリスクは怖いですね。
しかし「リスクが0」という投資はありません。どの商品でも、少なからずリスクは発生します。大切なのは、適切なリスクを抱えながら賢く運用していくことです。
難しそうですね。
そんなことはありません。わかりやすく説明していきますよ。
この記事では、プライベートバンカーである私の経験をもとに、富裕層が行うべき投資戦略をわかりやすく紹介します。
富裕層以外にも、資産規模があまり大きくない方にとっても参考になる内容です。ぜひ最後までご覧ください。
- 過去の状況
- 今後の市場の流れ
- 富裕層が取るべき投資戦略
2023年の資産クラス別リターン
これからの投資戦略を考える上では、過去の状況を知っておくことが重要です。
2023年はどのような状況だったのですか?
2023年は資産運用にとって非常に良い年でした。
世界株式やアメリカ株式、日本株式は、年間の上昇率が20%を超えました。ヨーロッパの株式も上昇しています。市場の中で下降したのは中国株式だけという結果です。
すごいいい年だったのですね。
ビットコインはどうだったのでしょう?
ビットコインも非常に良い結果でしたよ。
ビットコインの価格は170%の上昇です。つまり価格が2.7倍になったという結果でした。プライベートバンカーの私から見ても、2023年は全般的に良い年だったと言えるでしょう。
2024年の市場コンセンサス
2024年はどうなるのでしょうか?
良い悪いという判断は難しいのですが、一般的に言われている予測があります。
2024年は一般的には、次のことが言われています。
・大きな株価の下落はない
・米国FRBの利下げによって株価の上昇が期待できる
・米国の長期金利も下降方向
・ドル安円高が進む
・日経平均は年末に3万円後半になる
・世界的選挙イヤーのため政治リスクに注意
2023年に引き続き、2024年も良い年になりそうですね。
大きな下落は考えにくいので、良い年になる可能性は高いでしょう。
プライベートバンカーである私の経験から考えると、2023年の状況と上記の予測を踏まえた投資戦略を考えていく必要があると言えます。
どのような戦略が良いのか、次項から詳しく説明していきますよ。
富裕層がとるべき5つの戦略
2024年はどのような投資戦略で臨めば良いのでしょう?
5つの戦略があります。
富裕層が取るべき戦略の5つを紹介していきます。
コア資産は引き続き米ドル債券
1つ目の戦略は、コア資産を引き続き米ドル債券で運用しつつ、一部の長期債を組み入れるという方法です。
複雑ですね。
簡単に言えば、債券を中心とした運用を行うということです。
米ドル債券の基準となるのが、米国10年債です。利回りはおよそ4%となっています。この状況は2008年から続いており、今年も引き続き歴史的な高金利環境になると考えられるでしょう。
この予測から、どういうことが言えるのでしょうか。
米ドル債券は高い利回りを得ることが可能と言えます。
ドル中心の通貨配分を組む
2つ目の戦略は、米ドル中心の通貨配分を組みつつ、一部を円建てインカムゲイン資産に分散するという方法です。
具体的にどうすれば良いのでしょうか?
一言で言うと、米ドル中心に投資を行う方法です。
巷では、米ドル崩壊の話が出ているので、心配になっている方もいるでしょう。確かに2023年には以下のような出来事がありました。
・米国のいくつかの銀行が破綻
・米国債が格下げ
・BRICSの共通通貨構想
結構いろいろなことが起きていたのですね。
そうですね。しかし心配は不要です。
さまざまな出来事が起きていますが、米ドルの信頼や地位は揺らいでいません。プライベートバンカーである私の見立てでは、現在の状況なら少なくとも5年や10年の単位は安定しています。
したがって、米ドル中心の通貨体制を取るべきでしょう。実際に世界全体の通貨取引の「44.2%」は米ドルが占めています。それぞれの通貨の割合は次の通りです。
・米ドル:44.2%
・ユーロ:15.3%
・日本円:8.3%
世界の通貨取引の中心は、米ドルなのですね。
そうです。この状況は簡単には変わらないでしょう。
富裕層の資産管理を専門に行うプライベートバンクでも、通貨取引の配分を視野に入れて資産管理をしている場合が多いです。
私の経験則としては、日本人の富裕層の場合、米ドルの比率は「50%」がひとつの目安になるのではないでしょうか。
法人名義でビットコインを購入する
投資戦略の3つ目としては、法人名義でビットコインを購入する方法です。
なぜビットコインなのでしょう?
ビットコインは、簡単には下落しない商品と言えるからです。
2023年はビットコインが大きく値上がりしました。プラス170%です。つまり、元本の2.7倍になっています。
ビットコインは、なんとなく怖い気がするのですが。
確かに過去は暴落したこともあります。しかし驚異の回復力も併せ持っています。
ビットコインの過去を振り返ると、最高値を更新したのが2021年秋です。そのときは6万7000ドルでした。
そこからFRBの利下げや業者破綻などによりビットコインは大暴落し、一時は3分の1程度の価値になってしまいます。ただし、ここからがビットコインのすごいところです。
驚異の回復力を見せ、2023年には4万4000ドルまで上昇しています。
新NISAを活用した贈与戦略を進める
富裕層がとるべき戦略の4つ目は、新NISAを活用した贈与戦略を進める方法です。
新NISAをどのように活用するのでしょうか?
家族全員で取り組んでいく方法です。
新NISAは、資金に余裕がある富裕層であれば、積極的に行っていきましょう。そして、できる限り家族全員で取り組むのが良いと言えます。
なぜなら複数人で活用することで、新NISAによる非課税枠が広がるためです。非課税枠は次の通りとなります。
・1人の場合は、1800万円
・2人の場合は、3600万円
・3人の場合は、5400万円
・4人の場合は、7200万円
・5人の場合は、9000万円
配偶者やお子さんを交えて、ファミリー全体で活用するのが良いでしょう。
でも、子どもはそんなにたくさんの投資に使える現金を持っていません。
それでも大丈夫です。
富裕層であるあなたが、お子さんに現金を贈与すれば可能となるでしょう。贈与すれば当然、贈与税がかかってきます。
夫婦間の贈与の場合は、一般税率の20%です。
20歳以上の子や孫への贈与の場合は、特別税率が適用され、200万円~400万円なら15%となります。
例えば資産が6億円あった場合は相続税が50%もかかるため、これと比較すれば贈与税の方が節税効果は高いと言えるでしょう。新NISAは、年間で360万円まで投資が可能です。
新NISAを利用すれば、高い節税効果を得られるのですね。。
そうです。そしてもう一つアドバイスがあります。
年間の贈与額の目安ですが、現金を受け取った側の税負担を考慮し、年間400万円の贈与を行うのが良いでしょう。
高額の株式毎月積立を淡々と続ける
5つ目の戦略は、高額株式の毎月積み立てを淡々と継続する方法です。
株式の毎月積み立てって、資産が少ない人が行う方法ではないでしょうか?
この方法はリスク分散につながるためオススメです。
確かに毎月積み立てと言うと、資産が少ない人が行う方法と思われてしまいます。しかし一般個人投資家にとっては、毎月積み立ては非常に有効な方法です。
毎月一定額を株に変えていくわけなので、いわゆる「ドルコス平均法」となります。つまりリスク分散につながる投資方法となるのです。
相場を読んで、一括投資した方が効率よいのでは?
確かに狙いが当たれば、大きな利益につながるでしょう。
しかしプライベートバンカーとしての経験から、2024年の相場を読み切るのは難しいと言えます。
1年間で金利を5%引き上げた悪影響が一気に出る可能性もありますし、利下げによって金融緩和が起こり株価の上昇もあります。
詳しい人が難しいと言っているなら、素人には絶対無理ですね。
そうです。戦略でカバーする方法が良いでしょう。
この不安定な状況をピンポイントでとらえるのは、難しい状況です。そのため毎月積み立てをして、ドルコス平均法でリスク分散する方が良いということになります。
毎月積み立てを行い、ドルコス平均法でリスク分散投資を行う
まとめ
今回はプライベートバンカーである私の経験をもとに、富裕層が行うべき投資戦略を紹介しました。資産規模があまり大きくない方にとっても参考になる内容となるので、ぜひ参考にしてください。
今回紹介した投資戦略は全部で5つありました。
・コア資産は米ドル債券で運用し、一部長期債を組み入れる
・米ドル中心の通貨配分を組んで、一部は円建てインカムゲイン資産に分散する
・ビットコインを法人名義で購入する
・新NISAを家族で活用する戦略を進める
・高額株式の毎月積み立てを淡々と続けていく
安定的に資産を運用していきたい場合は、米ドル建て債券です。
しかし一方で円高リスクもあり、日本の金利も上がってきているため、円建てインカムゲイン資産を検討に入れていくのも良い方法となります。またビットコインも面白いでしょう。
新NISAを活用することで、大きな節税が期待できます。株式市場は不安定材料がたくさんあり、どうなるかは誰もわかりません。
そのためドルコス平均法を活用した毎月積み立てを続けていくことが堅実と言えるでしょう。いかがでしたでしょうか。これらの投資戦略があなたの参考になれば幸いです。