暗号資産のマイニングは、近年多くの投資家や技術者から注目を集めています。ビットコインなどの暗号資産価格の上昇に伴い、「マイニングで稼げる」という話を耳にした方も多いのではないでしょうか!
しかし実際のところ、個人がマイニングで利益を出すことは可能なのでしょうか?本記事では、マイニングの基本的な仕組みから、個人が参入する際の注意点まで、わかりやすく解説していきます。この記事を読むことで、マイニングの基礎を知ることができるのでぜひ最後まで読んでみて下さい!
暗号資産のマイニングとは?

暗号資産のマイニングとは、ビットコインなどの暗号資産において、取引データを検証・承認してブロックチェーンに記録する作業のことです。この作業を行う人のことを「マイナー」と呼び、作業に対する報酬として新たに発行された暗号資産を受け取ることができます。
従来の金融システムでは、銀行などの中央管理者が取引の正当性を確認していました。しかし、暗号資産は中央管理者が存在しないため、ネットワークに参加するマイナー同士で取引の検証・承認を行う必要があります。これがマイニングが重要な役割を果たす理由です!
マイニングの仕組み
マイニングの仕組みは、非常に複雑な計算問題を解くことから始まります。具体的には「ナンス値」と呼ばれる特定の数値を見つける作業が中心となります。マイナーたちは膨大な計算を行い、最も早くこの数値を発見した人が、取引データをブロックチェーンに記録する権利を得られるのです。
ビットコインの場合、約10分間隔で新しいブロックが生成されるように設計されています。この時間間隔は、ネットワーク全体の計算能力に応じて自動的に調整される仕組みになっています。つまり、参加するマイナーが増えて計算能力が向上すると、問題の難易度も上がり、逆に減ると難易度が下がります。
マイニングのプロセスは以下のように進行します。まず、ネットワーク上で発生した取引データがマイナーに共有されます。次に、マイナーがそのデータの正当性を検証し、問題の計算を開始します。最初に正解を見つけたマイナーが他のマイナーにその答えをチェックしてもらい、正しければブロックがブロックチェーンに追加されます。
マイニングの報酬
マイニング報酬は、新規発行される暗号資産と取引手数料の2つから構成されています。
しかし、注意すべき点があります。この報酬を受け取れるのは、計算競争に勝利した1人のマイナーだけです。つまり、多くのマイナーが競争に参加していても、実際に報酬を得られるのはそのうちの1人だけということです。
さらに、ビットコインには「半減期」という仕組みが組み込まれています。これは、21万ブロックが生成されるたびにマイニング報酬が半分になる仕組みです。過去の半減期を見ると、2012年に50BTCから25BTCに、2016年に25BTCから12.5BTCに、2020年に12.5BTCから6.25BTCに、そして2024年に6.25BTCから3.125BTCに減少しています。
暗号資産のマイニングには3種類ある

マイニングには大きく分けて3つの方法があります。それぞれ特徴や参入のしやすさが異なるため、自分の状況に合った方法を選択することが重要です!
ソロマイニング
ソロマイニングは、個人が独力でマイニング作業を行う方法です。この方法では、マイナーがハードウェアのハッシュパワーとネットワークの難易度のみに依存してマイニング操作を処理します。
ソロマイニングの最大のメリットは、マイニング報酬を独占できることです。プールマイニングのように他の参加者と報酬を分け合う必要がなく、成功すれば全額を受け取ることができます。長期的には、プールマイニングよりも高い収益をもたらす可能性があります。
しかし、デメリットも多数存在します。成功には何年もかかる可能性があり、決して保証されていないため、かなりの資本投資と忍耐が必要です。現在のビットコインネットワークでは、個人の設備で競争に勝つことは極めて困難になっています。高い潜在的収益があるにもかかわらず、実際に利益を得られる可能性は非常に低いのが現実です。
プールマイニング
プールマイニングは、複数のマイナーがチームを組んで協力してマイニングを行う方法です。個人では太刀打ちできない大規模な計算力に対抗するため、多くの個人マイナーがこの方法を選択しています。
この方法では、プールに参加したマイナー全員で計算作業を分担し、誰かが成功した場合に報酬をハッシュパワーの貢献度に応じて分配します。個人のハッシュパワーが小さくても、定期的に報酬を受け取ることができるため、収入の安定性が向上します!
プールマイニングのメリットは、収益の予測しやすさと安定性です。ソロマイニングのように長期間報酬を得られないリスクを回避できます。一方、デメリットとしては、報酬を他の参加者と分け合うため、一回あたりの収益が少なくなることが挙げられます。
クラウドマイニング
クラウドマイニングは、マイニング設備を所有する企業にお金を投資し、その企業が代わりにマイニングを行って配当として利益を受け取る方法です。自分でハードウェアを購入したり管理したりする必要がないため、最も手軽にマイニングに参加できる方法と言えます。
クラウドマイニングの大きなメリットは、専門知識や高額な機材が不要なことです。従来のマイニングでは数十万円から数百万円の初期投資が必要でしたが、クラウドマイニングではそのような負担がありません。また、法規制や電気代リスクも回避できます。
しかし、注意すべきデメリットも存在します。最も重要なのは、詐欺や不正業者のリスクです。クラウドマイニングを謳った詐欺事件も報告されているため、業者選びは慎重に行う必要があります。また、マイニングプロセスへの制御権を持たないため、透明性に欠ける面もあります。
暗号資産のマイニングの注意点

個人がマイニングで利益を出すためには、いくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。これらの要素を軽視すると、期待した利益を得られないどころか、大きな損失を被る可能性があります!
高度な計算能力を持った設備が必要
現在のマイニング環境では、一般的な家庭用パソコンでは競争に勝つことはほぼ不可能です。マイニングの難易度が大幅に上昇しており、専用のハードウェアが必要になっています。
主なマイニング機器には、CPU、GPU、ASICの3種類があります。CPUを搭載した一般的なパソコンの消費電力は約100Wですが、マイニング効率は非常に低くなっています。GPUは350W〜750W程度の消費電力で、CPUよりも効率的ですが、それでも現在の競争環境では不十分です。
最も効率的なのはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるマイニング専用機器です。これらの機器は2000W以上の消費電力を持つものもあり、非常に高い計算能力を発揮します。例えば、Antminer S19 Proは110TH/sのハッシュレートを持ち、価格は約100万円〜200万円程度です。
しかし、これらの高性能機器を導入しても、大規模なマイニングファームとの競争に勝つのは困難です。現在のビットコインマイニングでは、個人の設備では収益を上げることが極めて難しくなっています。
高額な電気代が発生する
マイニングで見落とされがちな重要な要素が電気代です。マイニング機器は24時間365日稼働させる必要があり、膨大な電力を消費します。
電気代の計算方法は「消費電力量(kWh)×電力量料金(円/kWh)×稼働時間×稼働日数」で求められます。日本の電気料金は1kWhあたり約27円とされています。
具体的な例を見てみましょう。消費電力100WのCPUマイニングの場合、月間電気代は約1,944円です。消費電力350WのGPUマイニングでは約6,804円、消費電力2000WのASICマイニングでは約38,880円にもなります!
日本は世界的に見て電気料金が高い国であり、この高い電気代がマイニングの収益性を大きく圧迫します。多くの場合、マイニング報酬よりも電気代の方が高くなってしまい、赤字になってしまうのが現実です。
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ビットコインのマイニング難易度は継続的に上昇しており、2024年現在では88.40兆という極めて高い水準にあります。これは前年同時期と比較して約55%も増加しており、個人マイナーにとってはさらに厳しい状況となっています。
マイニングで得た利益には税金もかかります。マイニングで得た利益は事業所得または雑所得として扱われ、確定申告が必要になる場合があります。つまり、電気代や設備費用だけでなく、税金も考慮して収益性を計算する必要があります。
これらの要因を総合すると、現在の日本において個人がマイニングで利益を出すことは非常に困難と言わざるを得ません。特に初心者の方は、クラウドマイニングなどのリスクを抑えた方法から始めることをおすすめします!
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