個人向け国債は本当に安全?メリット・デメリットをわかりやすく解説

個人向け国債は「安全性が高い資産」として知られています。しかし、その特徴を正しく理解しないまま選んでしまうと、結果として自身の投資スタイルや目的に向いていなかったと後悔する可能性があります。

そういったことがないよう、本記事では、個人向け国債の仕組みや特徴をわかりやすく解説しました。メリット・デメリットに加え、投資判断に迷ったときに立ち返れる内容として整理しています。個人向け国債への投資を検討している方は、資産運用の軸づくりにぜひお役立てください。

債券の種類や全体像についてはこちらの記事も参考にしてください。

著者プロフィール

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中村 健

SPJ編集長 資産運用の専門家

シンガポールに長年住んでおり、海外のプライベートバンクを活用した富裕層が行う資産運用、資産防衛に精通している。

世界各国の複数のプライベートバンカーと定期的にミーティングをして最先端の情報や資産運用ノウハウを入手することで、十分な資産所得(リタイアメントインカム)を確保して、悠々自適に暮らしている。

様々な国を旅してきており、訪れた国は45ヵ国を越える。

目次

個人向け国債とはどんな商品か

ではまず、個人向け国債とは、どんな商品であるのかについて、説明していきましょう。

基本をまず押さえておく必要がありますね。安全であること以外、あまり深く知らないままでした。

比較的身近で安全な投資商品ですが、その仕組みをまずは学んでおきましょう。

国が発行する債券

個人向け国債は、日本政府が資金調達のために発行する債券の一種で、購入者は国にお金を貸す立場になります。

国が発行体であるため信用力が高く、元本や利払いの安定性が重視される商品であることが「個人向け国債は安全」といわれる所以です。株式のように価格変動によって利益を狙うのではなく、あらかじめ決められた条件に基づいて利息を受け取り、満期時に元本が戻る仕組みで、預貯金に近い安定運用を志向する投資家に向いています。

個人向け国債の基本的な仕組み

個人向け国債は、個人投資家に限定して販売される国債で、最低1万円から購入できます。毎年2回、あらかじめ決められた利率に基づいて利息が支払われ、満期まで保有すれば元本が償還=手元に戻る仕組みです。

基本の仕組みをまとめると以下のようになります。

基本的な「個人向け国債」の仕組み
  • 元本割れがない
  • 発行体は日本国
  • 最低金利保証がある
  • 少額(1万円)から購入可能
  • 年12回発行されている
  • 中途換金も可能

出展 個人向け国債を始めてみたい方 : 財務省

それぞれについては、のちほど詳しく述べますが、預貯金などと同レベルの安全性があり、初心者でも始めやすい設計となっています。

満期の種類

個人向け国債には主に3年・5年・10年の3種類の満期が用意されています。3年と5年満期の国債は固定金利型で、購入時に決まった利率が満期まで適用される一方、10年満期の国債は変動金利型で市場金利の動向に応じて利率が見直されます。運用期間や金利環境への見通しに応じて選択できるため、資産配分や資金の使い道を意識したうえで、自分に合った満期を選ぶことが可能です。

国債にも変動金利があるんですね!組み合わせて購入することも検討できそうです。

変動金利の場合でも、定期的に利息が支払われますし、満期が来れば償還されるので、やはり安心できる投資商品といえますね。

個人向け国債のメリット

個人向け国債は「安全性を重視」「できるだけ手堅く資産を増やしたい」と考える方が最初に検討することが多い投資商品です。特に、大きな値動きに不安を感じる方にとって、多くのメリットがあるといえます。ここでは、個人向け国債の代表的なメリットを3つ解説していきましょう。

元本保証に近い安心感

個人向け国債は日本政府が発行体であるため、元本や利息の支払いに対する信用力が非常に高い点が特徴です。預金のような明確な元本保証ではないものの、実質的にはそれに近い安心感を持って保有することができます。

発行体が破綻しない限り、満期まで保有すれば額面どおりに償還されるため、資産全体の安定性を高める役割として有効です。

最低金利保証

個人向け国債には最低金利(下限金利)が設定されており、市場金利が低下した場合でも一定の利回りが確保される仕組みになっています。特に変動金利型では、金利上昇局面では利率が見直される一方で、低下局面でも極端に利息が減りません。変動金利の商品であっても最低金利が保証されているのは、個人向け国債ならではのメリットです。

途中換金が可能

個人向け国債は満期まで保有することを前提としていますが、発行から1年経過すれば中途換金が可能です。換金時には直近2回分の利息相当額が差し引かれるものの、元本は確保される仕組みとなっています。

だれしも急に資金が必要になるタイミングが訪れます。そんな時、長期資産として保有しながらも換金できるという流動性を確保できる点は大きな魅力です。

個人向け国債のデメリット

個人向け国債は安全性の高い商品である一方で、デメリットも存在します。特に、資産を効率よく増やしたいと考える場合には、少し制約があるかもしれません。ここからはデメリットについて、一般的な投資商品群と比較しながら確認していきます。

金利が低い

個人向け国債は安全性を重視した設計であるため、一般的に金利水準は低く抑えられています。銀行預金よりは高い場合もありますが、株式や投資信託と比較すると金利は低水準であることがほとんどです。

最低金利が保証されているとはいえ、低金利環境では物足りなさを感じることもあるでしょう。安定性と引き換えにリターンを抑える商品である点を理解しておく必要があります。

金利と債券価格の関係について詳しく知りたい方はこちら

インフレに弱い

個人向け国債は元本が守られる一方で、インフレによる実質的な価値が下がることへの対応は難しい側面があります。物価上昇率が受取利息を上回ると、実質的には資産価値が減少することになってしまうからです。

また、変動金利型であっても、インフレに完全に連動するわけではありません。長期的な資産形成+維持を考える場合は、他の投資商品との併用が重要になります。

債券が下落するケースについてはこちらで詳しく解説しています

大きなリターンは期待しにくい

個人向け国債は、価格変動による売却益を狙う商品ではなく、あらかじめ決められた利息収入を得ることが主な目的です。そのため、ほとんどの場合、変動金利であっても短期間で資産を飛躍的に増やすようなリターン設定にはなっていません。

市場環境によって大きな利益を狙える株式投資などと比べると、成長性は限定的といえます。資産形成のスピードを重視する場合には、リスクとリターンのバランスを意識して、分散投資したほうがよいでしょう。

【個人向け国債メリット・デメリットまとめ】
元本の安全性が高く(信用力が高く)、最低金利保証がある反面、ローリスク・ローリターンで、インフレ時には実質価値が下がってしまうことも。あなたのスタイルに合わせて購入を検討してください。

利回りの高さだけで判断するリスクについてはこちら

どんな人に向いているか

個人向け国債は、すべての投資家に最適な商品ではありませんが、特徴が合致する人にとっては有力な選択肢となります。ここまで解説してきたメリット・デメリットを踏まえ、どのような目的や投資スタイルを持った人に向いた商品なのかを考えていきましょう。

元本の安全性を重視する人

まず、個人向け国債は、元本の安定性を重視したい人に適した商品です。大きな価格変動を伴う株式や投資信託は不安ですが、日本という国の信用力には安心があります。特に、すでに一定の資産を保有しており「減らさない運用」を重視する段階にある方にとっては、資産の安定性を高める役割として有効に機能するでしょう。

短期〜中期で資金を置きたい人

使い道が決まっている資金や、数年以内に取り崩す可能性がある資金の置き場としても、個人向け国債は有力な選択肢になります。1年経過後であれば中途換金が可能なので、急に資金を崩すことになっても大きく困ることはないでしょう。定期預金よりもやや有利な条件を期待しつつ、リスクを抑えたい場合に適しており、短期から中期の資金管理に向いています。

価格変動を避けたい人

日々の価格変動に左右される運用を避けたい人にも、個人向け国債は適しています。市場価格の上下によって資産評価が大きく変動することがないため、満期まで保有しておくだけで問題ありません。投資経験が浅い場合や、値動きにストレスを感じやすい方にとっては、安定した運用環境を維持できる最適な投資商品のひとつであるといえるでしょう。

やはり、リスクを最大限に抑えて、手堅い投資をしたい、という方に個人向け国債はおすすめの投資ですね。

個人向け国債だけで大丈夫?資産配分の考え方

個人向け国債は安全性に優れた商品ですが、資産をそれだけで運用するのは賢い運用とはいえません。資産を守りながら増やすためには、複数の資産を組み合わせる「資産配分」の考え方が重要です。ここでは、株式や他の債券との役割の違いを整理し、分散投資の基本を解説します。

株式との役割の違い

株式は企業の成長への投資であり、値上がり益や配当によって資産を増やす役割がメインです。しかし、一般的には価格変動が大きく、短期的には損失が出る可能性を含んでいます。

これに対し、個人向け国債は、価格変動の影響を受けにくく、安定した利息収入を得ることを目的としています。つまり、株式が「攻め」、国債が「守り」として機能し、両者を組み合わせることでリスクとリターンのバランスを取りやすくなります。

債券の役割

債券は、資産全体の安定性を高める役割を持っている投資商品です。中でも個人向け国債は信用力が高く、価格変動リスクを抑えながらも一定の利息収入を得られます。

株式市場が不安定な局面でも資産の下支えとなるため、ポートフォリオ全体の値動きを緩やかにする効果が期待できます。大きく増やすよりも、資産を守りながら着実に運用したい場合に、重要な役割を果たすのが債券の特徴です。

分散投資の考え方

分散投資とは、異なる値動きをする資産を組み合わせることで、全体のリスクを抑える考え方です。

個人向け国債のように安定性が高いがリターンが限定されるものと、株式など値動きが大きい商品をバランスよく組み合わせると、リスクを抑えつつ安定した成長を目指すことが可能になります。目的やリスク許容度に応じた配分が重要です。

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今回は、個人向け国債について、その仕組みからメリット・デメリットについて解説してきました。投資を検討する際、判断軸を固めるのに、ぜひこの記事を役立ててください。

投資は分散投資が基本です。個人向け国債は「守り」の投資ですが、効率よく資産形成するには、やはり、さまざまな投資商品を組み合わせるのが理想です。もし、組み合わせに悩んだときは、ぜひSPJにご相談ください。あなたのスタイルや目的に合わせた資産配分をご提案させていただきます。

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